第82章 *閑話カームデイ11 〜カリム〜*
砂丘の丘の上
お気に入りの場所だと言って連れてきたのは、一面の砂漠に反り立つ小高い丘の上だった。絨毯に仰向けに寝転ぶレイラの目の前には、無数に煌めく満天の星空が広がる
建造物が遠くに見えるスカラビア寮以外見えないため、星々の光は何にも遮られることはなく、漆黒の夜空に煌々とその輝きを放つ
『キラキラ..!キレイ』
カリム『だろ?寮からでも見れるんだけど、ここが1番綺麗に見えるんだ』
隣で寝転びながら空へと手を伸ばす。届かない星の代わりに虚空を掴むと、ゆっくりと下におろした
『素敵な場所を教えてくれてありがと。ずっとここで見てたいかも..』
カリム『あっはっは!ずっと見てたら朝になっちまうな。でも、その気持ちスゲー分かる』
『また、見に来てもいい?』
カリム『勿論だ!いつでも来いよ』
いつの間にか繋がれていた手を少し強めに握りながら、心地よい風が吹く中、二人は静かに目の前の光景を焼き付けた
暫く星空鑑賞していると、ふとカリムは隣へと視線を向ける。こちらの視線に気づくことなく、ただ目の前の星空へ思いを馳せるように見つめるその深紅の瞳は、星の輝きを写したかのようにキラキラとしていた
あまりの美しさに見つめたまま惚けていると、流石に気づいたのか深紅の瞳がこちらを向いた
『?どしたの?』
カリム『...』
その問いに答えを返さず体を起こすと、レイラの上に覆いかぶさる。当然目の前が星空からカリムへと変わり、目をパチバチと瞬きさせる
『カリム、さん..?』
首を傾げると、ゆっくり体が迫り額同士がコツンと重なり合った
『ぇ..?』
カリム『レイラ..』
甘く欲を孕んだ瞳と吐息がかすめ、次の瞬間にはもう唇を奪われていた
『んぅ..』
柔らかい感触と頭を撫でる手が優しく、抵抗などするはずもなく寧ろ自ら求めるように軽く唇を食む
その行為に上乗せするように、カリムは舌先を伸ばしてペロっとレイラの唇を舐める。まるで"開けろ"と言われているかのように思え、素直に口を開くとぬるっと熱い舌が入り込み、ゆっくりと絡ませては甘い刺激を与える
『んぅぅ..//ふ、ぅっ..//は..んっ..//』
カリム『んっ..』