第82章 *閑話カームデイ11 〜カリム〜*
健気な行動に愛おしさが募ると同時に、ちゃんと自分の気持ちを伝えなければならないと決め、抱きしめたまま耳元に唇を近づけて、囁くように思いを露わにした
カリム『..今日、一回もお前に触れられなかった。沢山話しかったのに、あんまり出来なくて..』
『ごめん..私、気づかなかった』
カリム『違うんだ。何度も話しかけたりしようとしたんだけど、その..ジャミルが』
『ジャミさん?そういえば、今日すごい甘えてきたり構ってくれた。もしかして、それ?』
その言葉に頷くと、腕の中で小さくクスッと笑い声が聞こえてきて顔を覗くと、優しい笑みが向けられていた
カリム『わ、笑うなよ〜。自分でも情けねぇって思ってるんだからさ』
『だって嬉しかったんだもん』
カリム『へ?嬉しい?』
『ん。ヤキモチ焼いてくれたってことでしょ?そんなに想ってくれてるんだって分かって凄く嬉しかった』
カリム『ヤキモチ..嫉妬か..。そう、だよな..あいつだって好きなんだもんな。譲らないって言われてたのに呑気にしてたオレが悪いんだ』
『?』
カリム『あ、悪い。つまり、オレもジャミルもお前が大好きだからさ、少しでも二人きりでいたくて喧嘩してたみたいだ』
『喧嘩?怖いことしてるの?』
カリム『違う違う!怖いことじゃないけど..えーっと、勝負..そう、勝負だ!』
『勝、負..じゃあ、怖くないね』
へにゃりと笑い、再びカリムの胸に体を寄せて甘えると、頭上から"ゔっ!"と悶えるような声のあと、ぬくもりに閉じ込められ耳に柔らかいものが触れた
『んっ..』
カリム『(可愛い..)なあ、少しの間でいいからこのままオレと二人でいてほしいんだけど、だめか?』
『だめじゃない。今日ヤキモチ焼かせちゃったことと寂しい思いをさせちゃったから、カリムさんの気が済むまで一緒にいるよ』
カリム『ありがとう、レイラ』
今日満足触れられず心に空いた穴を埋めるべく、愛しい存在をしっかり抱きしめて、カリムは絨毯をある場所へ向かわせた
『どこ行くの?』
カリム『オレのお気に入りの場所。すげーキレイなところだから、お前も気にいると思うぜ』