第82章 *閑話カームデイ11 〜カリム〜*
もやもやする..さっきからずっとこんな調子で禄に話しかけられてない。レイラも、ジャミルが構うからそっちばっかりで楽しそうに笑ってる
あいつが笑ってくれるのはすげえ嬉しいし、宴の目的もそれだったから良いんだけどさ
なんか胸の奥で黒いものがどんどん湧き上がってくるんだよ。今まで味わったことない痛みと苦しみでいっぱいだ
レイラと話したい、一緒に飯を食いたいし、あの笑顔を向けられたい。それで、あいつに触れたい
最近になってやっとあいつへの想いが自覚できたんだ。オレはレイラが好きで、好きで、すげえ大好きなんだ
なあ、頼む..邪魔しないでくれ
〔No side〕
宴が終わり後片付けでガヤガヤする中、ゲストであるレイラたちは少し離れた場所で満腹感に包まれていた
グリム『はぁ〜〜食った食った。もう腹に入らねーんだゾ』
ユウ『よくあれだけの大皿を一人で完食できたね。お腹真ん丸になって、"アザラシちゃん"に近づいたんじゃない?』
グリム『何だと〜!!!フロイドみたいこと言うんじゃねぇ!』
『む..ぅ..』
ユウ『あ、もしかして眠くなった?ほら、こっちで寝ていいよ』
うつらうつらと船を漕ぎながら、今にも寝落ちしそうなレイラをクッションに横たわらせる。柔らかいクッションの上で満腹と楽しい宴の余韻に浸りながら、ゆっくりと夢の世界へ落ちようとしていた
その時、横になるレイラを見つけて、カリムは少し心配そうな顔で駆け寄ってきた
カリム『レイラ、どうしたんだ?腹でも痛いのか?』
ユウ『ああ、いえ。お腹いっぱいで眠くなっちゃったみたいで』
カリム『そ、そっかぁ..良かったぜ。気分悪くなったんじゃないかって焦った』
安心したのかその場で座り込むと、安堵のため息一つはいて穏やかに眠る横顔を見つめる
カリム『満腹になるまで食ってくれて、楽しんでくれて良かった』
あどけない表情に愛おしさが溢れ、そっと手を伸ばしてその柔らかい頬へと触れようとした
ジャミル『なんだ、眠ったのか。だがここだと体を痛めるし騒がしいだろ。静かな場所にでも運んでやる』
カリム『っ..待ってくれ!!』