第82章 *閑話カームデイ11 〜カリム〜*
カリム『よぉ!お前たち、楽しんでるか?』
寮生たちと共に場を盛り上げるだけ盛り上げ終えたカリムは、ジュースの入った杯を片手にユウたちの輪へ加わる
グリム『おう!どれもこれもすっげぇ美味いんだゾ!スパイスが効いてて、香りもすげえいい!』
カリム『ジャミルが腕によりをかけて作ってくれたからな。今日もありがとな!』
ジャミル『ああ』
カリム『てか、お前何してんだ?』
首を傾げるカリムの視線の先には、レイラの膝に頭を乗せて寝転がり、頭を撫でられてご機嫌になっているジャミルがいた
ジャミル『いいだろ別に。どこかの誰かさんがいきなり今日、宴をやるなんて言ったもんだから必死に準備を終えて疲れてるんだ』
『ジャミさん、良い子。よしよし..』
カリム『うっ、悪い。少しでも早くこいつらに楽しんでほしくて..でもそうだよな、お前の負担も考えずに決めちまった。オレ、全然変われてないよな』
ジャミル『まあ、今回はお前も手伝ってくれたから、これ以上は言わない。だが、頼むから次はもっと余裕も持って決めてくれ』
カリム『わかった!』
〔カリム〕
そこからだった
最初は勘違いかと思って気にしないでいようって思ってたんだけど、時間が経つに連れて段々ハッキリとあからさまだなって分かってきた
ジャミルはオレをレイラから遠ざけようとしてる
だってオレが話しかけようとすれば、先にレイラに話しかけてオレから意識を離させようとするし、同時に自分が間に入って、レイラの視界にオレが入らないようにしてくる
今だって..
カリム『なあレイラ、』
ジャミル『レイラ、こっちも食べてみろ。辛味は抑えてあるから食べやすいと思うぞ』
『むぐ..ん!美味しい』
ジャミル『良かった。欲しいものがあれば言えよ。取ってくるから』
ユウ『僕、あそこのお肉料理が食べたいでーす』
ジャミル『お前は自分で行け』
ユウ『ちっ』
また遮られた。これって、完全に邪魔されてるよな
カリム『...』
ジャミル『...ふん』
カリム『!!』
こっちを向いたジャミルが"ざまあみろ"って言いたげに、べっと舌を出してオレを睨んだ