第81章 *閑話カームデイ10 〜ポムフィオーレメイン〜*
リドル『ユウ、レイラ、楽しんでくれているかい?』
『リドルさん、トレイさん、ケイさん』
パッと泣きそうだった顔を輝かせ席を立つと、トレイたちを引き連れ現れたリドルの方へ抱きついた
リドル『おっと..相変わらず元気で安心したよ。体調に問題はないかい?』
『ん。リドルさんは?』
リドル『ボクはあの後、魔法医術士による適切な処置を受けたから大丈夫だ。髪も元に戻ったからね』
『ホントだ..いつもの真っ赤で綺麗な髪』
会場に咲き乱れる薔薇にも負けないくらいのリドルの赤い髪が風になびき、晴天の青空によく映えた
うっとりと眺めていると、少し照れた様子で視線をそらし、その照れ隠しなのか目の前の額に優しいキスを落とした
『わっ..//』
リドル『なんだい。キスなら、他の者たちで慣れてるじゃないか』
『だって、リドルさんがしてくれるの、珍しくて』
リドル『..これからはもっと君に意識してもらえるようにしないと、と思っただけだよ』
『リドルさん..』
トレイ『ごほん!あーリドル。俺たちを忘れてないか?』
リドル『っ!!すまない、つい..』
ケイト『リドルくんの、レイラちゃんの前だけの優しい顔と照れ顔いただきました〜♪』
気まずそうに咳払いをしたトレイの後ろで、いつの間にかスマホを向け撮っていたケイトは、珍しいリドルの柔らかな表情を写し満足そうにしていた
リドル『ケイト!今すぐ撮った写真を消すんだ!』
ケイト『え〜!折角の良い顔だったのに、勿体ないよ』
リドル『いいから消すんだ!』
トレイ『まあまあリドル。マジカメに載せるわけじゃないから、残しておいてもいいと思うぞ。そうだろう、ケイト?』
ケイト『勿論。レイラちゃんが少しでも写ってるから、マジカメには載せないよ』
リドル『..そうかい』
渋々諦めると、腕の中で首を傾げるレイラをもう一度強く抱きしめて"今日は存分に楽しんでほしい"と伝えて体を離した
トレイ『今日のケーキも自信作だ。二人に喜んでもらえると嬉しいな』
ユウ『ありがとうございます』
ケイト『オレはいっぱい写真撮るから、後で二人にも送るからね』
『ん』