第81章 *閑話カームデイ10 〜ポムフィオーレメイン〜*
モストロ・ラウンジ・VIPルーム
『良い子良い子..ジェイさんもフロさんもいっぱい頑張ったね。少しの間だけど、癒やされて』
ソファーに腰掛け両者の頭を撫でる。黒兎の匂いを放ち優しく囁くようにあやすと、膝の方からキューキューと求愛の歌声が聞こえる
ジェイドとフロイドは互いに分け合うように、レイラの左右それぞれの太腿に頭を乗せて寝転がっていた
芳しい匂いと甘く心地よい労いの声、そして優しい手付きで撫でられ、二人の疲れきった心と体にジワジワと幸福と癒やしが染み込んでいく
フロイド『キュー..ゴマちゃん、好きぃ』
『私も大好きだよ』
ジェイド『クルル..僕のことは好きですか?』
『勿論、大好き』
ユウ『(猛獣ならぬ猛魚?使いだなぁ..)』
『んふふ、二人共可愛い..ね、ユウ?』
ユウ『あはは、そーだねー(可愛いか?身長190超えの大男二人のごろ寝甘えMAXモードが?)』
アズール『バックヤードにいないと思ったら、なんて羨ましいことしてるんだお前達』
VIPルームの扉を開けて入ってきたアズールは、目の前の羨ましい光景に羨望と嫉妬の瞳で睨みつけ、少しフラリとした足取りで中へ入ってきた
フロイド『アズールだって、さっきゴマちゃん吸いまくってたし、オレらも疲れてんだから少しくらいいーじゃん』
ジェイド『そうですよ。レイラさんの独り占めはいけません』
上から睨みつけるアズールに対してブーブーと文句を言いながら下から抗議する
ユウ『先輩がた、少しはレイラへの迷惑も考えてくださいね』
フロイド『はぁ〜?ゴマちゃん、オレらが甘えてくるの迷惑なわけ?』
『ううん、全然』
ユウ『レイラは優しいからそう言うけど、実際VIPルームで甘えさせてって言われてから、ちょっと早めにケーキ食べてたでしょ。折角のケーキだったのに余り味わえなかったんじゃない?』
『ぅ〜..それは..』
ユウ『この間のお礼と言うなら、もっとゆっくりさせていただいてもいいんじゃないですか?』
ユウの正論がビシッと突き刺さり、3人は気まずそうに視線をそらした
アズール『そう、ですね。自分たちのことばかりでお客様に不快な思いをさせてしまうとは..ここの代表として謝罪します』