第81章 *閑話カームデイ10 〜ポムフィオーレメイン〜*
ジェイド『このままだと永遠に離れそうにもないので、そろそろ声をかけましょうか』
アズールの抱擁はかれこれ30分以上続き、一向に甘えモードが終わる気配がないので、さすがのジェイドも呆れのため息をついた
ジェイド『アズール。そろそろ解放してさしあげては?この前のお礼をしたいのでしょう?このままでは日が暮れてしまいますよ』
アズール『...』
フロイド『ゴマちゃんにもいい迷惑になってっから早く退いたほうがいいよ』
『迷惑じゃないよ。でも..アズさんのお顔見たいし、少しお腹空いた、かな』
アズール『...分かり、ました』
渋々といった様子で顔をあげると、浮かない顔でレイラを抱き上げVIPルームをあとにする。サクサクと出ていったアズールの後を追いかけ、ユウたちも小走りで部屋を出た
他の客の好奇の目にさらされながらも無視して、レイラが普段お気に入りにしている大きな水槽前の席へ行き、レイラを降ろす
『アズさん..?』
アズール『好きなものを注文してください。お代は出すので』
『..ありがと。アズさん、無理しちゃだめだよ。いっぱい疲れたんだから、少しは休まないと』
アズール『しかし..』
『アズさんが倒れたら、私泣いちゃう..ミルククレープケーキとオレンジジュース』
アズール『分かりました。ユウさんはどうしますか?』
ユウ『僕も同じので』
『〜♪美味しい』
ユウ『甘みが体に染みる』
ケーキの優しく広がる甘みに舌鼓を打ちながらジュースと共に堪能する。あれから3人とも業務に戻りホールやら厨房やらで忙しそうに働いていた
『アズさんたち大変そう』
ユウ『あの事件から少し経ったとはいえ、よく毎日動いてられるよね。僕だったら絶対無理』
ジェイド『僕たちも重なる連勤で、かなり疲れてるんですがね』
ユウ『うぉっ!びっくりした』
ぬっと死角から顔を出したジェイドは、言葉の通り少し疲れた様子で息を吐く
『ジェイさんもお疲れ?フロさんも少し元気なかった。二人にも兎の癒し、する?』
ジェイド『ぜひお願いします。このあと15分後に休憩をいただけるので、VIPルームで沢山癒やしてください』
『ん』