第81章 *閑話カームデイ10 〜ポムフィオーレメイン〜*
※ここからは数週間の間の時系列バラバラ話です
ヴィル『あらルーク。昼間から盛りのついた雄犬みたいね。何を始めようってのかしら?』
穏やかな日が差し込む寮の外のベンチで、レイラを押し倒し首筋に顔を埋める副寮長の姿に、ヴィルは呆れた様子でため息をついた
ルーク『やあ、麗しの毒の君。何をと聞かれればそうだね..愛の営み、かな?』
ギラリと組み敷いた獲物を食いつくさんとする危険な狩人の瞳に、押し倒されたレイラはドキドキと鼓動を早めながら、再び首元に柔らかいキスと生ぬるい感触が肌を滑るのを、敏感に感じていた
『んっ..ぁ..ゃ..//』
ルーク『ふふ、とても愛らしい鳴き声だね。もっとその声を聴かせておくれ..あうちっ!』
パシンと脳天を叩かれ、痛みで体を起こしたところを首根っこを掴まれて引き剥がされる
ヴィル『無視して始めてるんじゃないわよ。ほら、さっさと上から退きなさい。まったく、他の寮生も通る公共の場で何してるのよ』
ルーク『失礼。余りにも彼女が愛らしく見つめながら甘えてきてくれたものだから、燃え上がる熱情を抑えられなかった。君が私の立場だったらこの気持ちが分かるはずだよ』
ヴィル『はいはい。レイラ、起きられる?』
軽く受け流して抱き起こし、心配そうに顔を覗き込むと、真っ赤に染まった顔が小さく頷いた
『だ、大丈夫..//』
ヴィル『あんたも嫌ならちゃんと抵抗しなさい。大事な体をそうホイホイ明け渡してたら身がもたないわよ』
『ごめんなさい..でも、やじゃなかった、から』
ヴィル『..そう』
ルーク『レイラくん、すまない。君の愛らしさと甘えてくれたことの嬉しさで、調子に乗って襲いかかってしまった』
眉を下げて申し訳無さそうにすると、レイラは首を横に振って"ルクさんは悪くない"と少しだけ笑みを浮かべた
ヴィル『レイラ、こっちを見なさい』
『なに..んっ..』
ヴィル『あたしのことも見て。これでもさっきの光景を見てイライラしてたのよ』
『ぁぅ..ご、ごめんなさ..』
ヴィル『謝らなくていいわよ。あたしが勝手に嫉妬してるだけだから』
ルーク『ふふ、ヴィルも私と同じ愛の底に溺れてしまったんだね。ライバルとして申し分ない』