第81章 *閑話カームデイ10 〜ポムフィオーレメイン〜*
ポムフィオーレ寮・空き部屋
『あ、ユウ帰ってきてたんだ』
ユウ『お帰り。先輩とのお話は終わった?』
『ん』
ユウ『なんだか嬉しそうだね。何か...レイラ、こっちへおいで』
真顔で手招きされ、不思議に思いつつも素直に近づいてベッドに腰掛けるユウの隣に座ると、腰に手が回されグッと引き寄せられる
『ユ、ユウ?』
ユウ『これ、誰につけられたの?』
首筋を見つめながら問われるが、見えないため"分からない"と答えると、サイドテーブルに置いてあった手鏡を手に取り首元に傾けられる
そこに映っていたのは、服で隠れない部分にくっきりとつけられた赤い独占欲の花だった
『ぁ、え、と..これは..ひゃっ』
ようやく思い出したのか、顔を真っ赤に染めながら視線をそらすと、肩を掴まれ少し強めに後ろへと押し倒される
そしてキスマークとは逆の方の首筋に顔を埋められると、歯を立てて噛みつき強く吸い付かれた
『んぅぅ..っ//』
ユウ『キレイについた』
自分がつけた噛み痕と白い肌に映える赤い花に満足そうに唇を舐める。レイラは突然のことにオロオロしながらも恐る恐る尋ねてみる
『怒っ、た?』
ユウ『というよりヤキモチやいた。てなわけで、今から暫くこの部屋で、僕とイチャイチャしてもらいます』
『絶対?』
ユウ『絶対』
『じゃあ、いっぱいギューってしてキスしてくれる?』
ユウ『勿論』
穏やかな笑みで頬から唇へ順にキスを贈る。弱点である耳にも唇を寄せて"愛してるよ"と囁き、くすぐったそうに身をよじる姿に愛おしさを感じながら優しく抱きしめる
『んぅ..私も愛してる』
ユウ『ありがとう。レイラが僕を見てそう言ってくれるだけですごく嬉しいよ』
『私も、ユウに"愛してる"って言われるとすごく嬉しい。ねえ、もっとキスしたい』
ユウ『うん、沢山しようね』
甘えた声に幾分か機嫌が戻ったユウは、抱きしめたまま暫くの間キスをしながら、嫌がられない程度にレイラの体に触れ、ようやく訪れた二人だけの時間に溺れていった
グリム『おめーら、オレ様を無視してイチャつくんじゃねーんだゾ。すげえいづれーじゃねぇか』
ユウ『あ、ごめん』