第81章 *閑話カームデイ10 〜ポムフィオーレメイン〜*
ー1時間後ー
『できた』
ユウ『はや』
グリム『なんかズルしたんじゃねーのか?』
ユウ『文字を大きくして2行使おうとしたグリムじゃないんだから』
『ちゃんと書いたもん』
頬を膨らませながら反省文を片手に席を立つと、廊下へと歩きだしていく
『先生にだしてくる』
ユウ『一人で平気?って言っても、こっちはまだかかりそうだし、レイラはそのままヴィル先輩のところに行くんだよね』
『ん、一人で行ける。二人共、先に行っちゃうけどごめん』
ユウ『いいよ。でも気をつけて行くんだよ』
グリム『変な奴らに絡まれるんじゃねーんだゾ』
『分かった』
軽く手を振って二人に別れを告げると、一人静かな廊下を歩きながら、クルーウェルの待つ教務室へと向かった
ユウ『ねぇ、レイラの罰さ..先生、完全に狙ってるよね』
グリム『下心が見え見えなんだゾ。オレ様たちの罰は一週間トイレ掃除だってのに』
ユウ『あ〜〜っ!!次から次へと強敵がぁぁぁあ!!!』
ナイトレイブンカレッジ・教務室
『はい』
クルーウェル『思ったよりも早かったな。変な不正は..してないようだな』
受け取った反省文をざっと目を通しきっちりと書かれていることを確認すると、机の端に紙を置いて椅子から立ち上がり、横まで歩いてくるとポケットからスマホを取り出した
クルーウェル『俺の連絡先を教えておく。悪いことに使うなよ』
『そんなことしないもん』
むくれながらスマホを取り出し連絡先を交換し終えると、クルーウェルの名が入った項目に笑みが溢れる
『先生の連絡先、なんか嬉しい』
クルーウェル『たかが連絡先だろうが』
呆れたように言うその顔には、愛おしい者を見つめる甘い瞳と優しい笑みが浮かんでいた
クルーウェル『反省文は目を通しておく。お前は行くところがあるんだろ』
『ん。私行くね』
背を向けて歩きだそうとしたその時、"待て"と腕を掴み引き寄せられ、長い腕に抱きしめられる
クルーウェル『暫くこうさせろ』
『..せんせ。なんか、ごめん..ぅ..』
クルーウェル『..好きなだけ泣いていい』
『ぅ..ぅぅっ.. 』