第81章 *閑話カームデイ10 〜ポムフィオーレメイン〜*
『..言うこと聞かなくてごめんなさい。悪い子でごめんなさい』
クルーウェル『ああ、お前は悪い子だ。Badgirlだ』
『反省、してる..でも、後悔はしてない。嘆きの島に行って良かった』
クルーウェル『それを反省してるとは言わないんだ、この問題児』
『ぁぅ..でも先生、やっぱり私、何もしないで見てるだけは、やなの。迷惑かけるし足も引っ張るけど、少しでもなにかの役に立てるなら、私は同じことをする』
クルーウェル『..自己犠牲と出しゃばりの塊だな、お前は』
『..分かってる』
そっと手を動かし、クルーウェルの髪を撫でながら耳元で"ごめんね"と囁く。少しの沈黙の後、体を起こしたクルーウェルは複雑な表情で顔を近づけると、触れるだけのキスをしてすぐに上から退いた
クルーウェル『少しは抵抗しろ』
『先生のこと好きだから、やじゃないよ』
クルーウェル『はぁ〜〜..どうせ、他の子犬共にも言ってるんだろう。まったく、つくづくお前は問題児だな』
大きなため息をつきレイラを抱き起こすと、真っ直ぐに視線を合わせ真剣な顔つきで口を開いた
クルーウェル『今度からは、必ず俺に一言告げてから散歩に行け。例え反対されると分かっていても。その方がまだいくらかマシだ』
『ん』
クルーウェル『..罰として授業が再開する明後日から一週間、放課後に俺の教務室でコーヒーを淹れて仕事を手伝え。時間が空いたら勉強を見てやる』
『ほんと?嬉しい』
クルーウェル『あくまでこれは罰だ。嬉しがるな』
『ごめん』
叱られながらも、罰の内容に楽しみを感じてしまい、耳と尻尾が嬉しそうに揺らした
クルーウェル『話は以上だ、隣の部屋に戻るぞ。お前にも反省文を書かせないといけないしな』
『ぅ..』
分かりやすく気落ちする姿に見えないように小さく笑うと、ソファーから立ち上がるとそっと手を差し出した
その手に小さなぬくもりが重なると、包み込むように握りながら部屋のドアを開けた
クルーウェル『宿題はできたか?』
『!!わ、すれてた..』
クルーウェル『だろうな..まあ焦らなくていい。一週間の罰の間にゆっくり考えておけ』
『ん..先生』
クルーウェル『なんだ?』
『ただいま』
クルーウェル『ああ、おかえり』