第81章 *閑話カームデイ10 〜ポムフィオーレメイン〜*
ヴィル『..中々いいわね』
ルーク『でも少し裾が長すぎたかな。もう少しこの部分を詰めたほうがいい』
ヴィル『そうね。無駄に長いとだらしなく見えるわ』
『...』
かれこれ小一時間、二人の着せかえ人形と化したレイラは、二人の次々放たれる感想や修正の言葉に翻弄されながら、黙ってそのやり取りを見ていた
ヴィル『次はこのスカート。着替えてきて』
『あ、はい..』
仮設のフィッティングルームに服ごと押し込まれ、勢いにのまれながら着替える
『(でも二人共楽しそう..良かった)』
二人のキラキラした笑顔を思い出し、クスクス笑いながら試着を終えると、フィッティングルームのカーテンを開けた
『あの、これ..スカート短い、気がする』
ヴィル『制服のスカートの長さに慣れてるせいよ。むしろそのぐらいの丈のほうがあんたの体型に合ってるし、シルエットが綺麗だわ』
ルーク『せっかくの長く美しい脚なのだから、思い切って出してしまってもいいと思うよ』
『そっか..サイズもぴったり、尻尾もキツくない』
ヴィル『獣人用のブティックを中心に探したんだから当然よ。でも、少し穴が小さかったかしら?付け根が締めすぎな気がする..』
触るわよ、と一言入れるとレイラの小さな尻尾を包み込むように触れる
『ひゃんっ..//!!あ、ごめん..//』
ヴィル『....ふー..』
尻尾から伝わる甘い刺激に敏感に反応し、真っ赤に染めた頬のまま謝罪すると、ヴィルは無言で小さく息を吐いた
ルーク『ヴィル、目が据わっているよ。まるで今にも襲いかからんとする獣の様だ』
ヴィル『ええ。実際、どう食ってやろうかしらって考えてたところよ』
ルーク『気持ちは分かるけど抑えないといけないよ』
分かってる、と気を引き締め直すと、改めて尻尾に触れながらスカートの尻尾穴を観察し始めた
『ぅぅ..//』
ルーク『ふふ、君は耳だけでなく尻尾まで敏感なんだね。先程の声、とても愛らしかったよ』
『むぅ』
頬を膨らませキッと睨むと、"すまない"と悪びれる様子もなく頭を撫でた