第81章 *閑話カームデイ10 〜ポムフィオーレメイン〜*
グリム『はーなーせー!!爪なんか切りたくないんだゾ!!』
ユウ『はいはい切るよ』
『グリム、暴れちゃだめ』
暴れる体を押さえつけて爪を切っていく。そして切ったところからヤスリをかけて整えながら、触っても痛くないのを確認して次々と切りそろえていく
ユウ『はい、おしまい。頑張ったね』
グリム『ツナ缶』
ユウ『分かったよ。また今度ね』
グリム『やだやだ!今すぐがいいんだゾ!!』
ユウ『え〜..仕方ないなぁ。レイラ、今から購買行くけど一緒に行く?』
買ってもらった財布を手に立ち上がり購買へと誘うが、レイラは首を横に振ってタンスを開け始める
『ううん。私、今からヴィルさんのところでお洋服見てもらうことになったから、行ってくるね』
ユウ『そっか。一人で大丈夫?』
『ん。帰ってきたらユウにも見せるから』
ユウ『楽しみにしてる』
ポムフィオーレ寮・ヴィルの部屋
ヴィル『よく来たわね。中に入って適当にかけて頂戴』
『お邪魔します..あれ、エペルもいるの?』
部屋を訪れ中に入ると、ヴィルとルークに加えてエペルまで来ていたことに少し驚いて尋ねると、"ちょっとね"と歯切れの悪い返事が返ってきた
『?』
ヴィル『さて、楽しいファッションショーの前に聞きたいことがあってエペルも呼んだの。あんたにとっては気分の良いものじゃないし、ツラいことを思い出させるかもしれないけれど、いい?』
『..お月様が言ってた、こと?』
ヴィル『ええ。どうやらルークは何か心当たりがあるらしいけれど、あたしたちは正直何がなんだか分かってないわ。無理強いはできればしたくはないけれど、あたしたちにも聞かせてくれないかしら?
勿論、無理なら諦めるわ。例え教えてくれても他言無用を約束する』
エペル『だから、教えてほしいんだ..レイラのことを。これからのこともあるから』
突然の頼みに驚きながら、唯一黒兎のことを知っているルークへと視線を向ける。彼は表情こそ変えなかったが、二人には話してもいいだろうという意味を込めて頷いた
元々、近いうちに話す予定ではあったため、迷いはしなかったが二人の真剣な眼差しに改めて覚悟を決めて話し始めた
『ん、分かった。ちょっと長いけど、聞いて』