第81章 *閑話カームデイ10 〜ポムフィオーレメイン〜*
これはオンボロ寮が修繕されるまでの数週間の話
ナイトレイブンカレッジへと到着した矢先、目を回して倒れたレイラがポムフィオーレに運ばれた後
ポムフィオーレ寮・空き部屋
『ん..』
ユウ『おはよう』
目が覚めると見慣れない天井や壁紙に視線を彷徨わせると、隣でうつ伏せに寝転んでいたユウと目が合い、そっと伸ばされた手のひらが優しく頭と頬を撫でる
その心地よさに再び微睡んでしまいそうになりながらも、気になっていたことを口にしてみた
『ん..ここどこ?今、何時?』
ユウ『ポムフィオーレ寮の空いてる部屋だよ。オンボロ寮がああなっちゃったから、エペルがヴィル先輩に話をつけてくれて、直るまでここで寝泊まりさせてもらえることになったんだ。
ちなみに今はお昼の13時だよ』
『そっか』
ユウ『あの後、目を回して倒れたレイラを抱えた先生と一緒に医務室で治癒魔法と薬をもらって、暫く寝てたって感じ。体は大丈夫?』
そう言われて布団の中で手や足を動かすと、筋肉痛や微かな痛みは残るものの体自体は楽になっていた
『大丈夫。ちょっとお腹空いた』
ユウ『夜通し戦ったからね。ちょうどお昼だし、食堂に行こっか』
『ん。あれ、グリムは?』
ユウ『今回の事件に深く関わった人物として、連れ去られた先輩たちとグリムは先生たちと事情聴取』
『私達は?』
ユウ『明日クルーウェル先生とお話。今回のことがあったからか今日から3日間、授業はお休みみたいで..長くなるよ』
『...ぁぅ』
来たる説教に気落ちしながらも、ゆっくり体を起こしてベッドから降りる
『暫くこの服しかないのかな?』
スンと匂いを嗅ぎながら、長々と着たままのポムフィオーレの寮服を見ると、あちこち汚れや破れが目立っていた
ユウ『流石にお風呂入りたいよね。そういえば先輩がサムさんの所ですぐに必要な日用品とか制服とか諸々頼んでくれたみたいだよ。しかもポケットマネーで。ご飯食べたあとは購買に行こうね』
『ん』
ユウ『よし、じゃあ行こうか。僕もお腹ペコペコだよ』