第80章 *終曲イグニハイド*
ユウ『ごめんね。怖かったりしなかった?』
『ううん、気持ちよくて..嬉しかった』
先程までの快楽に満ちた艶のある表情からいつもの少女らしい花の笑みで応えると、ユウはどうしようもなく愛おしくなり額や頬や唇にキスの雨を降らせる
くすぐったがるように身をよじりながら、そのキスを受け入れて嬉しそうにクスッと笑う。小さな部屋に甘く穏やかな時間だけが過ぎていく
『ユウ』
ユウ『ん?』
『ユウは、いいの?その..気持ちよく、ならなくて..』
その言葉に首を傾げる。だがすぐに自分の昂ぶった欲が彼女の下腹部に当たっていることに気づき、頰を赤らめながら少し体を離して"ごめんね"と謝る
ユウ『僕はレイラが気持ち良くなってるのを見てるだけでいいんだ、今はね。だから気にしなくていいんだよ』
『そっか..ごめん、我慢させて』
ユウ『僕が勝手に襲って勝手に興奮してるだけだから、謝らなくていいのに。それに、本当にシたくなったらちゃんとレイラに許可とるから』
『ぅ..それは、や、優しくして..』
ユウ『煽らなかったらね』
きっと煽ろうと煽らなくとも激しく抱いてしまうだろうなと苦笑いして頬を撫で、キスを一つ落としてベッドからもそもそと抜け出す
ユウ『ちょっと待っててね。体拭きたいでしょ?タオル持ってくるから』
『ん』
ユウが持ってきた濡らしたタオルで体を拭いてもらってスッキリしたのか、レイラは眠気に襲われウトウトとユウの腕の中で寝かけていた
ユウ『いい子いい子。ごめんね、疲れたよね。久しぶりの寮のベッドでゆっくりおやすみ』
『んぅ..ユウ..いっしょ、に..いて..』
ユウ『勿論一緒にいるよ。離れたりしないから大丈夫』
『ぅ..大好き..だ、よ..』
ユウ『僕も大好き。愛してるよ』
夢の世界へと落ちていったレイラを抱き直すと、ユウもあくび一つして目を閉じる
その時、穏やかな静寂を破るようにあの鏡から光が溢れ、久しく聞いていなかった彼の声が鏡の向こうから響いてきた
ミッキー『ユウ、そこにいるかい?』
イグニハイド編終了です。
長過ぎません?この6章だけですげえボリュームですやん