第80章 *終曲イグニハイド*
クロウリーの後ろから少したどたどしく物怖じしたような小さな足音が聞こえ、特徴的な燃える青い炎の髪がゆらりと揺れる
イデア『あ、あ、あの..ドモ..』
『お月様だ』
ユウ『彼、戻ってこれたんですね』
学園長『ええ。詳しい話は中でも?』
ユウ『どーぞ』
オンボロ寮・談話室
学園長『いやあ、本当に大変な目に遭いました。黎明の国の国会議事堂に呼び出され、S.T.Y.Xの他にも教育省や魔法省の偉い人たちに.."何故こんなに連続でオーバーブロットが起きているんだ!原因を言え!"とか怖い顔で聞かれて..そんなの私が知りたいですよ!』
仮面の奥で光る2つの黄色の瞳が小さな怒りを表すように釣り上がる
学園長『私が何をしたっていうんですか。こんなに真面目に学園を運営しているのに!』
プンプンと頭から煙が出しながら、事情聴取されたときのことを愚痴るように溢していく。そんな様子をレイラは隣に座るユウの肩に凭れながら少しだけ退屈そうに見ていた
ユウは肩に凭れるレイラの頭にそっと頬を寄せて、だらんと置かれた手を優しく握って指で撫でたりしていた
学園長『そして、イデア・シュラウド君についてですが..本人とご両親のご意向により、再び学園へ戻ってくることとなりました。また仲良くしてあげてください』
イデア『...っす。しゃっす..』
耳を澄まさないと聞き取れないほどのか細い声を出しながら、緊張と不安に満ちた瞳が忙しなく動かして小さく頭を下げた
ヴィル『さっきから全然目を合わせようともしないし、声だって小さいし..仲良くしようって意志が全然見えないんだけど』
ユウ『まあ、戻ってきたらあのパンチの続きをされるのもあって、ビビってるんですよ』
ヴィル『成程。でもそれに関してはあたしは助けたりはしないわ。だって自分で蒔いた種なんだから。それに、学園に戻ったらあげる予定のあたしの一発も貰ってくれないと』
イデア『ひっ...』
学園長『それから、もう1人。皆さんにご紹介したい編入生がいます』
グリム『編入生?』
突然の編入生紹介に一同が首を傾げると、それを見計らってある人物が談話室に現れる
?『みなさん、お久し振りです!』