第80章 *終曲イグニハイド*
ーー数週間後ーー
オンボロ寮
『ユウ、早く来て!こっちも凄くキレイ!』
ユウ『わ、分かった分かった。走ると危ないから落ち着いて』
学園に戻り数週間後、カローンたちによりほぼ倒壊に陥ったオンボロ寮の修繕が完了したと聞き、ユウたちは久しぶりに寮へ戻ることができた
修繕費の出資と中のデザイン協力に参加したカリムやヴィルたちも、内見とお披露目がてら共に寮に来ていた
外観や庭から既に以前とは比べ物にならない程に整えられ、中はそれ以上にきらびやかに生まれ変わっていた。どこを向いても新しく綺麗な内観に、レイラは目をキラキラさせながら興奮した様子で、先程からユウの手を引いて小走りに中を探検していた
ユウ『こんなに楽しそうなレイラ、久しぶりに見たよ。よっぽどキレイになったのが嬉しかったんだ..わっとと』
『ユウ、こっち!』
ユウ『ふふ、どこまでもお付き合いしますよ』
談話室
グリム『ほわぁ〜っ!すげえ!どこもかしこもピカピカなんだゾ!』
床、壁、家具、新調された全てが輝いて見え、360度どこを見てもキラキラした空間に、グリムは小躍りしながら歓喜を表した
ヴィル『カローンとの戦闘で屋根や床まで崩落して、どうなるかと思ったけど..約束通り、原状復帰まではS.T.Y.X側が負担してくれたわ』
ジャミル『結果、フローリングのリフォーム代が浮いたことで、シャワーやキッチンなどの水回りの整備に加えて、給湯器なども全て新しい物に交換できた』
ユウ『全然オンボロじゃなくなってる』
『凄い..キラキラ..!』
カリム『ははっ!喜んでくれて嬉しいぜ!でも、オレとしてはもっとど派手なシャンデリアとかつけたかったんだけどなぁ』
ジャミル『シャンデリア代だけでVDCの報酬が全部吹き飛ぶ金額だったんだ、諦めろ』
ルーク『そうだ。ユウくんたちの部屋にはあっと驚く仕掛けがあるんだ。見に行ってごらん』
『仕掛け..ユウ、行こ!』
ユウ『わわわっ!引っ張られたら転ぶからぁ〜〜!』
仕掛けと聞いて耳をピンと立て、繋がれたユウの手を引き再び小走りで部屋へと向かう
それに引っ張られるユウも、何だかんだ嬉しそうについて行った