第79章 *終焉ゲーム*
『『『!!!』』』
低く威圧的な声が背後から全員の背筋に寒気をもたらす。肩をビクッと跳ねさせ、機械仕掛けのようにギギギと首だけ振り返ると、額に青筋を走らせ口元だけ笑みを浮かべたクルーウェルがそこに仁王立ちしていた
ユウ『あ゜..せ、先生〜..お久しぶりでぇす』
クルーウェル『ああ。実に2日振りだな駄犬ども。飼い主の言うことを聞かず勝手に散歩に行って、全身擦り傷を作って帰ってきたところを見ると、随分と楽しかったようで何よりだ』
ユウ『あ、あはは..じゃ、じゃあ、僕らは怪我もあるので医務室へ、』
クルーウェル『まあ待て』
ユウ『ひえっ』
ダラダラと冷や汗を流しながらレイラとグリムの手を片方ずつ取り、背を向けてそそくさと立ち去ろうとすると、ガシッと肩を掴まれ引き止められる
クルーウェル『俺に是非その楽しかった散歩の話でもしてくれないか?俺もお前たちに話したいことが山程ある。なに、たった4時間で終わる』
ユウ『そ、それは..』
『あ、あの、先生..』
クルーウェル『なんだ子兎。4時間では物足りないか?安心しろ、お前には特別に6時間設けてあるぞ』
『え、あ、それは..』
クルーウェル『それとも何だ?俺には話せないようなことでもしてきたのか?』
肩から手を離し正面まで回って来ると、レイラの頬を片手で掴みそっと上げさせ顔を近づける
『や、あの、先生..』
クルーウェル『ん?』
ニッコリとしたクルーウェルの表情と下手なことを言えば爆発しそうな雰囲気に、レイラの頭の中はどうしようもない状況にぐるぐると回る
『...きゅう..』
『『『!!??』』』
ついにキャパの限界を超え、目を回しながらフラリと体が後ろに倒れていく
ユウ『レイラ!!あ..』
手を伸ばして助けようとすると、それよりも早くクルーウェルの腕が抱きとめ、そのまま横抱きにして持ち上げた
クルーウェル『まったく..無理ばかりするからそうなるんだ。説教は明日にしてやるから、今日はもう休め』
『せん、せ..』
クルーウェル『..よく戻った』
『ん..』
少し泣きそうなクルーウェルの表情を最後に、レイラは目を閉じて意識を手放した