第79章 *終焉ゲーム*
目を釣り上げたエースはポコッ!と拳で3人の頭を一回ずつ少し強めに小突いた
ユウ『いった!!』
『あうっ!!』
グリム『あいでっ!なんでオレ様までどつかれなきゃなんねぇんだ!?』
エース『るせー!!どつくくらいで済ませてやることをありがたく思え!』
デュース『保健室で目を覚ましたら、ハント先輩とエペルとお前たちがいないって騒ぎになってて..』
エース『多分ルーク先輩たちと一緒だろうと思ってたけど..スマホの電源は切れてるわ、先生たちの追跡魔法でも行方がわからねーって言われるわで』
デュース『僕たちがこの2日間、どんな気持ちでいたと思ってんだ..!!』
『2人とも、お願い、怒らないで..』
エース『はぁ....ん!』
泣き出しそうな潤んだ瞳につい"許す"と言ってしまいそうになりながら、なんとかその言葉を飲み込むとエースは腕を広げて抱擁を迫った
先程自分がしたことと同じことをするエースに愛おしさを覚え、レイラはその腕に飛び込んだ
エース『あのさぁ..お前ほんと心配かけ過ぎ。ウィンターホリデーの時といい、ホント勘弁しろよ。すげぇ心配したんだからな。オレらの気持ち、ちゃんと分かってんの?』
腕の力が少し苦しいほどに強められる。段々抑揚のなくなっていく声に、顔は見えずとも本気で心配して心を痛めていたことが嫌というほどに伝わってきた
『..ごめんなさい。ごめんなさい、エース。また会えて、嬉しい』
エース『だからお前...はぁ、も〜〜〜..』
デュース『レイラ、僕のところにも来てくれ』
『ん。エース、離して?』
エース『後でもっかいな』
小さく頷くと、エースからデュースの腕に飛び込み胸にすり寄ると、少し震えた手が髪を撫で、エースとはまた違ったぬくもりと匂いが心に染み込んでいく
デュース『大怪我はしてないみたいだな。良かった..っ..僕は、俺は、お前にもしものことがあったらとずっと心配してたんだ。だから、無事に帰ってきてくれて、本当に良かった』
『デュース..心配させてごめんなさい。会いたかった』
デュース『僕もだ』
髪に触れるだけのキスを落とし体を離す。互いの安心に満ちた瞳が改めて学園に戻れたことを実感させ、全員が心からの安堵に包まれた