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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第79章 *終焉ゲーム*






その言葉に"そういう妖精ジョークを笑える余裕はない"と再び泣き出すと、リリアにはヴィルに起こっている現象の原因が何なのかがすぐに分かった


リリア『その姿。ヴィル、お主さては嘆きの島に封じられた冥府に立ち入ったな?冥府は生者が立ち入れば、たちまち生気と魔力が奪われて命を落としてしまう』


ルーク『ああ。実は昨晩..冥府の門の封印が解かれ、世界中にブロットとファントムが撒き散らされようとしていた』


リリア『なんと..!』


ルーク『ヴィルはそれを止めるために、危険を顧みず冥府に飛び込んで..』


ヴィル『..なんてバカなことしたのかしら。元の生活に戻るために頑張った結果がこの姿なんて..本末転倒もいいところよ』


あのときは夢中で、とすすり泣く。彼のショックは時間が経つに連れてどんどん大きくなり、もはやその場から一歩も動けなくなっていた


リリア『そうか。まずは、よくぞ生きて戻った』


マレウス『つまりシェーンハイトは時を重ねて老いたわけではなく、生気と魔力が枯渇し、そのような姿になっているということか』


リリア『花の盛りの若者が、なんと不憫な..』


18歳にして老人になってしまったヴィルに憐れむリリアは、隣に立つマレウスへと視線を投げかける


リリア『のう、マレウスよ。冥府に封じられていた魑魅魍魎どもが解き放たれていれば..我らが故郷、茨の谷も無事では済まなかったはずじゃ。茨の谷の次期当主として、かの者の労に報いてやるべきではないか?』


マレウス『ふっ。お前が何を望んでいるのか分かるぞ、リリア。以前VDCのステージを直してやったときとレイラを治療したとき、シェーンハイトに貸し2つだとは言ったが..

此度の働きは、その貸しを返してなお余りある』


そう言うと足を進め、立ち尽くすヴィルの元へも歩み寄った


マレウス『いいだろう。では..お前の働きに褒美をとらす』


ヴィル『は..?褒美?』


マレウス『僕であっても時間を戻すことはできない。だが、少しばかり魔力を分けてやることはできる』


ヴィル『え?』


マレウス『シェーンハイト、お前に祝福を..さあ、あるべき姿へもどれ!』


手のひらに魔力を集約させると、ヴィルへと向けて放つ。それは彼の頭上で拡散するとキラキラと降り注いで体に吸い込まれていった



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