第79章 *終焉ゲーム*
『着いた...すぅ、はぁ..』
久しぶりに踏みしめた運動場の草の感触と匂い、少し遠くに見える校舎がとても懐かしく、息を大きく吸い込むと途端に内側に閉まっていた感情が込み上げてきた
『う、うぅ..』
ユウ『レイラ、大丈夫!?どこか痛い?』
『ちが..安心、して..っ..ごめん』
ユウ『ヴィル先輩を慰めてたときはあんなに落ち着いてたのに。やっぱり怖かったし、安心したよね』
『ギュってして..』
ユウ『勿論』
安心で涙腺が緩んだまま、レイラはユウの腕の中にすっぽりと収まった
ラギー『レオナさーーん!!』
カリム『ジャミル〜〜!!!』
ジャミル『ぐはっ!!!』
アズール『アズール。ご無事で何よりです』
フロイド『あはっ。おかえり〜、アズール』
トレイ『リドル!無事でよかっ..は?』
ケイト『えぇっ、リドルくん!?髪が真っ白!一体何があったの?』
ユウ『帰ってきたね』
それぞれの寮生が自分たちの寮長・副寮長の元へ駆け寄り、再会の喜びを感受(白髪化したリドルや老人化したヴィルに驚きながら)する様子を、少し離れたところで見つめていると、ユウ自身にも戻ってきたという実感がわき、抱きしめる力を少し強めた
『ぐすっ..みんなにも、後で会いに行く』
ユウ『今じゃないほうがいい?』
『だって、こんな可愛くない顔、みせたく、ない』
ユウ『(泣いてる顔も可愛いんだけどな..)そっか』
シュン..
リリア『何やら騒がしいと思ったら、お主ら戻ってきておったのか!』
運動場の騒ぎを聞きつけ、瞬間移動でマレウスと共に現れたリリアは、みな無事で何よりじゃ、と朗らかに笑う
ヴィル『無事?どこをどう見たら無事に見えるのよ!』
『『!!』』
見慣れない老人の登場にさすがの二人も虚をつかれたように驚いた。しかし魔力の種類からその老人がヴィルだと分かると、哀れみと悟ったような表情へと変わる
マレウス『お前たちが攫われて、まだ2日ほどしか経っていないと思っていたんだが..いつの間にか7、80年ほど過ぎていたのか?人間は短命な種族だとは思っていたが、よもやこれほどとは..』