第79章 *終焉ゲーム*
イエローアンバーの瞳は不安と諦めに揺れ、その声音は段々と覇気がなくなっていく
イデア『というか..こんな問題起こしたら即刻退学処分に決まってるでしょ、普通』
エペル『はあ?何言ってんですか!』
イデア『え?』
エペル『イデアサンちがオンボロ寮をめちゃくちゃにしたんですよ。責任とって、ちゃんと直してください』
グリム『そうだそうだ!やっと雨漏り全部直したところだったんだゾ!』
『私の、お気に入りのお洋服..みんなからもらったもの..教科書..う、ぅぅ..』
オンボロ寮に残してきた思い出の品や日用品があの日の襲撃で全てなくなってしまったことを思い出し、ジワジワと涙が滲み出る
それを見たユウを筆頭にしたレイラ過激派(ほぼ全員)が一斉にイデアに殺気立った視線を向ける
イデア『ひっ!!も、もうやめてくだされ』
ルーク『しかし、このままじゃVDCの報酬が全て修理費に消えてしまう』
ジャミル『あの崩壊っぷりじゃ、500万マドルでは到底直しきれないでしょう。まずは原状復帰、よろしくお願いします』
レオナ『植物園も元に戻しておけよ。あそこが一番昼寝に最適なんだ。なあ、レイラ?』
『ん。あったかくて自然のいい匂いする。レオさんとのお昼寝、好き』
イデア『えぇ..昼寝..ハイ』
リドル『厩や芝生の整理もよろしくお願いします』
イデア『そ、それはリドル氏が燃やしたんじゃ..いや、なんでもナイデス』
アズール『そういえば、ゲームの途中で邪魔が入ったせいで勝負がついていませんよね。確か僕が優勢だったはずです。逃げないでくださいよ』
イデア『は?間違いなく拙者が優勢でしたが?ちゃっかり誤魔化さないでくださらんか』
ヴィル『と、いうわけで..あんたにはまだまだ学園でやることがある。いいこと?逃げるんじゃないわよ』
ユウ『さっきの件もまだ言いたいことが山程あるんで。あと単純に殴り足りない』
イデア『1人バーサーカーみたいなのがいるんですが!?』
『お月様..』
イデア『な、なに..?』
慣れないあだ名に若干のラグを見せつつも呼びかけに応えると、ユウに抱きしめられながらこちらを覗く深紅の瞳が小さく揺れる
『さっきのこと、もう気にしないで。私、許すから』