第79章 *終焉ゲーム*
ユウ『グリム..っ!』
『よか、た..っ』
グリム『ユウ..レイラ..オレ様..ダメな親分だ』
二人の姿を見てじわじわとその青い瞳に雫が溜まっていく。名を呼ぶその声は安心と後悔が入り混じって震えていた
ユウ『グリムが無事なら良いんだよ』
『一緒にオンボロ寮に帰ろ?』
包み込むような温かい言葉に静かに涙が溢れる。ふとユウの手に巻かれた包帯にグリムは更に顔を歪ませていく
グリム『..ユウ..こないだ、引っ掻いてゴメンな..』
ユウ『グリム..』
グリム『ゴメンな、ユウ..うう..』
ユウ『大丈夫だよ』
そっと首を横に振るユウに申し訳無さそうにしながらも、その視線を今度はレイラへと向けた
グリム『レイラ..お前大丈夫なの、か?だって、あの時オレ様と黒い、むぎゅ..』
言葉を遮るように強く抱きしめられ、グリムは少し苦しげに眉をひそめた
グリム『お、おい..レイラ』
『[あの時のことを言っても良いけど、ここにいる彼らがそれを知ったらこの子をどう思うかな?]』
グリム『!!??お、まえ..』
そっと囁かれた悪魔のような声に全身の毛が逆立つような寒気が走る
『[キミのその一言で、この子の人生を終わらせる気かい?嫌だよね?嫌なら..黙ってなよ]』
脅しともとれるその言葉に、グリムはただ黙って頷くしかできなかった
『ぅっ..』
グリム『レイラ..?』
『ごめ..ごめんね、グリム..っ..』
元に戻ったレイラは震え、泣きながら先程より優しい力で抱きしめた
グリム『...オレ様は親分だ。子分のことを守るのは、当然なんだゾ』
そう言って優しくポンポンと小さな手で震える背中を叩いた
グリム『ユウ、オレ様、学園に..オンボロ寮に帰れるのか?』
ユウ『うん』
エペル『当然だろ。グリムとユウは二人で一人の生徒なんだから。エースクンとデュースクンも、きっと待ってるよ』
その言葉に、先程引っ込んだはずの涙が再びぶり返し、グリムはレイラと、レイラごと抱きしめたユウの腕の中で大泣きした