第79章 *終焉ゲーム*
ヴィル『そういえば、グリムの意識は戻ったの?』
思い出したように、先程からグリムの側で様子を見ていたユウへと投げかけると、ユウは顔を真っ青にしながら慌てた様子で振り返った
ユウ『それが..!グリム、さっきから息をしてないんです!!体もどんどん冷たくなって..どうしたら..っ』
『!!グリム!!』
グリムと聞いてバッと顔を上げると、すぐにそれを察したリドルが体を離した。するとレイラは急いで立ち上がり、ユウとグリムの元へ走っていった
『グリム!ねぇ、起きて..お願い、起きて!』
ヴィル『グリムはあたしたちより長い時間、冥府に取り込まれていた。より深刻な状態になっていてもおかしくはないわ』
ユウ『そんな..』
最悪の事態を想像して、ユウとレイラはショックで項垂れるしかなかった。だが、ただ一人だけグリムを見つめ何かに気づいた者がいた
ルーク『むっ..私に見せてもらえるかな』
早足で近づくと、横たわるグリムの口元や体に耳を寄せて呼吸を確かめたり、瞼を開かせたり口を開けて中を覗き込み始めた
ユウ『どう、ですか?』
ルーク『自発呼吸はないが、心臓は止まっていない。ん?これは..喉のあたりになにか硬いものが詰まっている!』
『硬いもの..?』
ルーク『ユウくん!グリムくんをうつ伏せに抱え、頭を胸より低くしてくれ。背中を強く叩いて!遠慮はいらない。吐き出すまでやるんだ!』
ユウ『は、はい!』
言われるままにグリムをうつ伏せにすると、手のひらで思いっきり背中を叩き始めた
ルーク『大きな声で、彼を呼んで!』
ユウ『はい!グリム!!グリム!!!』
『お願いグリム!起きて!!』
何度も何度も叩いては呼びかける。すると、呻くような声が小さく聞こえ始めた
グリム『..っ、かっ、かはっ!おえっ!!』
体がブルリと震え、大きくえずくとグリムの口から何かが勢いよく吐き出された
エペル『!!詰まってたものを吐き出した!』
グリム『ごほっ、ごほっ!かはっ!』
ルーク『よくやったね二人共!グリムくん、しっかり息を吸って!』
呼吸を促すように背を撫でる。何度か荒く呼吸した後、グリムはうっすらと大きく丸い瞳を開いた
エペル『やった!目を覚ました!』