第79章 *終焉ゲーム*
ゴゴゴゴ...
イデアの詠唱に合わせて、冥府の扉が音を立てて閉じていく。扉から既に出て彷徨っていたファントムたちも、閉じていく扉の中へと吸い込まれていった
ルーク『冥府の門が..閉じていく』
ヴィル『..あんたを追いかけて冥府に落ちていく途中、崩れていくオルトの巨体からあんたとグリムが分離されたの。だから二人を救い出すことができた』
イデア『"兄ちゃんはまだこっちに来ちゃだめ"..か。
..いつかまたね、オルト』
閉じられていく扉を見下ろしながら、イデアは悲しげに微笑みながらその行方を見守った
ヴィル『イデア、次は急いでケルベロス・システムを..うっ!』
『『ヴィル!/ヴィルサン!』』
ガクッと体制を崩したヴィルに慌てて駆け寄るが、当の本人は"大げさね"とすぐに足を踏みしめて持ち直した
ヴィル『少しよろけただけじゃない。足の筋肉が痩せたのか、ブーツがゆるいのよ』
アズール『姿が変わるほど魔力も体力も消費したんです。安静にして、一刻も早く魔法医術師の診断を受けるべきだ』
リドル『..それは君も同じことだろう、アズール』
合流直後は目を覚まさず、壁に寄りかかって眠っていたリドルは、冥府に近づきすぎたことによる白髪化した髪を揺らしながら、ふらりと立ち上がった
『リドルさん!』
アズール『おや、リドルさん。ようやくお目覚めですか?』
リドル『ああ..まだ頭がくらくらするけれ..ど!?』
ふらつく頭を抑えながら歩くリドルの言葉を遮るように、突然何かに飛びつかれ、その場に尻餅をついた
リドル『いったた..いきなり飛びつくなんて危ないじゃないかレイラ!!』
『..だって..だって、リドルさん髪真っ白になって倒れたって聞いたから、凄く心配したの。さっき会えたときも、アズさんに運ばれて、でも全然起きないから..』
肩を震わせて背に回した腕を強くすると、頭上からため息が聞こえ頭を優しく撫でられる
リドル『心配してくれてありがとう。でもだからといって、いきなり飛びついてくるのはおよし。危ないから』
お分かりだね?と優しい声音で諭されると、リドルの胸の中で小さくコクンと頷いた