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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第78章 *最終決戦*






グリム『..ウ、ウウ..』


二人の叫びがグリムに届く。すると、虚ろな瞳に光が戻り、まるで眠りから覚めたようにゆったりと意識が覚醒していく


グリム『..この、声ハ..コ、子分、オレ様..』


オルト『僕..兄ちゃんのヒーローには、なれなかった..や..』


もはや崩壊していく体を支えられるほどの力もなくなり、オルトは半壊し、その肩にグリムを取り込んだまま冥府へと真っ逆さまに落ちていった


イデア『オルト..!

..今度こそ、お前を置いていったりしない』


オルト『ニイ、チャン..』


唇を噛み締め、落ちていく弟を追いかけるように、イデアは目を閉じて同じく冥府へと身を投げた



ヴィル『!!いけない!このままじゃオルトの体ごと、イデアとグリムまで冥府に落ちてしまう!』


そこからの動きは一瞬だった。自身に簡単な浮遊魔法をかけ、チャリオットから身を乗り出した


ヴィル『行かせない!!』


『『!!??』』


エペル『ヴィルサン!?あんたなすんず!まさが..』


ルーク『待つんだ!』


『待って!!ヴィルさ、』


引き止めるために伸ばされた腕。しかし手は虚空を掴み、目の前から消え、落ちていくヴィルの姿がスローモーションのようにゆっくりと流れていく


ルーク『ヴィルーーーー!!!』




エペル『そ、そんな..!ヴィルサン!!!』


ユウ『何やってんのあの人!!』


ルーク『...』


突然の事態に二人は慌てふためき、ルークは声すらあげられず呆然としながら下を見つめるしかなかった


『ど、して..ヴィルさん..だって、あそこに落ちたら..』


激しく脈打つ鼓動と汗が吹き出し、頭がグラグラと揺れる。あまりの混乱に、脳内が考えることを放棄しようとするが、レイラはハッと我に返ると振り払うように首を横に振った


『エペル!!すぐに下に行って!なるべく底の近くまで!!』


エペル『!!??え、な、名前..』


『早く!!今のヴィルさんじゃここまで戻ってこれない!私達が迎えに行かないと!』


エペル『で、でも冥府に近づいたら危険じゃ、』


『ヴィルさんの方がもっと危ない!!』




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