第78章 *最終決戦*
ノアをよく知るユウは顔を歪め、初めてノアと邂逅した3人は未だ頭が追いつかず戸惑いが隠せないでいた
そんな彼らに、ノアは首だけ振り向くとつまらなそうに口を開いた
『[なにボサッと見てるんだい?さっさとその槍だか何だか知らないけど構えときなよ。それで決めるんだろ?]』
ヴィル『!!そうよ、今のうちに雷霆の槍を起動して照準を合わせるわ。全員手を貸しなさい』
ルーク『そうだね。今はイデアくんたちを止めることが最優先だ』
ユウ『(ノア、一体何考えてるんだ..)分かりました』
『[やれやれ。こんな手を貸すようなことなんてしたくなかったんだけど。今回は力も上手く出せないから、仕方なくだ]』
イデア『雷霆の槍!?くそ、撃たせるか..っ!!』
『[逃さないよ。君たちは僕と対峙した時点で逃げられない。足元見てごらん]』
動かない体に困惑しながら下を向くと、足元からいくつもの黒い小さな手が足を掴んで動けないようにしていた
イデア『なんだ!?』
『[まあ、諦めてやられておくれよ。ボクにはやらなきゃならないことがまだ沢山あるんだからっと!]』
掴み合いになっていたオルトを勢いよく押しのけると、体を浮かせたままチャリオットへと乗り込んだ
『『『...』』』
『[そんな怖い顔しないでよ。今回はまだ悪いことなんてしてないだろう?]』
ユウ『君が出るだけでその子に負担がかかるんだ。それに、またレイラの体を勝手に乗っ取って..っ!』
『[言い忘れてた。今回ボクが出てきたのは、あの子の意志だよ]』
ユウ『!!はあ!?』
『[あの子もようやくボクの扱いが分かってきたみたいで嬉しいよ。じゃあ、後は頼んだよ]』
ユウ『ちょ、ちょっと待って!あの子の意志ってどういう..』
止めようとするユウの言葉を無視し、ノアは意識をレイラへと戻した。同時に崩れる体を何とか受け止めると、気がついたのかうっすらと瞼が開く
『..私』
ユウ『レイラ..』
ヴィル『ユウ、言いたいことがあるでしょうけど後にしなさい。レイラ、目が覚めて魔力が残ってるなら力を貸して。ここで決めるわよ!』
ユウ『っ、はい!』
『分かった!』