第78章 *最終決戦*
『[あはは、正解正解。それにしても、世界のリセットだなんて君らも馬鹿なことを考えるね]』
イデア『は?馬鹿?僕らの夢のために必死にやったことが馬鹿だって?』
『[うん、馬鹿だよ]』
その瞬間、イデアの纏う赤い炎が勢いを増して火山のように吹き上がる。怒りを露わにしながら魔力を自身の手に集めていく
イデア『僕らの夢が馬鹿だって言いたいのか!!!自由を求めて何が悪い!弟の願いを叶えようとして何が悪い!お前らには分かんないだろ!!』
『[分からないし分かるつもりもない。それに、それを言うなら君がこの子を、黒兎の一族を分かろうとしないのと一緒さ。所詮、他人なんて理解できない]』
心底どうでもいいと言わんばかりのため息をついて、ノアは一気に魔力を高める。虚ろな瞳は生気を感じさせないまま、その色を明るく煌々と燃やした
『[さて、君たちの下らない夢のためにボクの計画を邪魔されたくない。悪いけどここで諦めてくれるかい?]』
ズズズと背後から闇の黒ウサギがゆっくりと現れ、二人を睨みつける
イデア『なんだよ、これ』
オルト『僕にも分からない..君は、なんなの?』
『[ん〜?おかしいなぁ。いつもより力が出ない気がする。ああ、この子の魔力が枯渇し始めてるのか。やれやれ、折角この前、力を摂取したばかりなのに。今回はこいつを出すだけで精一杯かぁ。これじゃあ、"愛を乞うもの"も放てない]』
イデア『さっきから聞いてれば好き放題言いやがって..っ!オルト、頼む!』
オルト『は〜い!誰かわかんない人、悪いけど倒させてもらうね』
『[ん?何、君らごときがボクに敵うとでも?]』
ノアへと伸ばされたオルトの両腕に対抗するように、闇の黒ウサギも両腕を伸ばし互いに押し合う形で拮抗状態となった
エペル『レイラ、じゃないよね?ユウ、あの人は何なの?』
ユウ『..話せば長くなるけど、これだけは言える。あれは僕らの味方じゃない。あの子を苦しめる危険な存在だよ』
ヴィル『よく分からないけど、ここに漂ってる瘴気と同じくらい不快だわ』
ルーク『あんなに悲しく淀んだ瞳は初めて見た。一体彼女に何が起きているんだ?』