第78章 *最終決戦*
『っ..違う、黒兎は化け物じゃない!みんな優しい人たちばかりだったって』
イデア『自分たちのせいで戦争が起きたくせに被害者ヅラ?ホント笑える。中身なんてどうでもいいだろ。結果として戦争は起こってお前たちのせいで死者が何人も出たんだ。加害者としての自覚持てよ。ああ、化け物だからそういう心はないのか』
オルト『それぐらいにして、兄ちゃん。本当の事だけど可哀想だよ。ほら、図星つかれて落ち込んじゃった』
イデア『ははっ、オルトは優しいな』
ユウ『あの二人っ、レイラの気持ちも知らないで勝手なことばっかり言って!!絶対ぶちのめす!!』
エペル『黒兎とか分かんねぇけど、これだけは分がる!!たげ頭さくるじゃ!!』
ルーク『二人共落ち着くんだ』
エペル『ルークサン、なんでそんな冷静に..っ!!』
怒りそのままに振り向いたエペルは息を呑んだ。真っ直ぐにイデアたちを見下ろすその瞳には、怒りの炎が激しく燃え上がり、その表情は今まで見たことがないほどに険しかった
ギリッと拳を握りしめ、その痛みで溢れ出そうとする怒りを抑えている姿に、隣で見ていたユウも驚きを隠せなかった
ルーク『冷静なものか。私だって今までにないくらい感情が乱れている。自分で自分を抑えるのに必死だよ』
ヴィル『あたしたちが勝ったらまずは、あの二人にキツいビンタを食らわせることから始めないと』
エペル『パンチの方がいいです、絶対に』
ユウ『殴るときは僕からやらせてください』
『....』
オルト『あれあれ、どうしちゃったんだろ?ショックが強すぎて気絶しちゃった?』
イデア『え、まさかの気絶?弱..』
オルト『仕方ないよ。人間はこういうトラウマや嫌な記憶を容赦なく突きつけられると気を保っていられないから』
イデア『じゃあ、もうポイで..』
『[ひっどいなぁ。弱ったこの子を容赦なく捨てようなんて]』
『『!!!』』
手の中の小さな体が放つ雰囲気が変わったことに驚いて、オルトは掴む手をバッと離した
オルトが離したことで本来なら落ちるはずのレイラの体は、その場にふわりと浮いていた
イデア『は?お前誰?さっきまでのヒロイン氏じゃないだろ』
オルト『体は彼女だけど、纏ってる魔力や人格は全く別物だ』