第9章 *単独レギオン*
フロイド『フワフワでピコピコ動いてる~...クリオネちゃんだぁ』
『クリオネ、ちゃん?』
ジェイド『申し訳ありません。フロイドは人に渾名を付けるのが好きでして』
フロイド『だって耳がピコピコ動いてるのクリオネみたいな動きじゃん。だからクリオネちゃん♪』
『でも、クリオネって...ほらこう...頭パカッってなってグワーって食べるよ』
頭の上で両手をパカッと開いて、それを目の前に置かれているジェイさんの手に噛みつくように挟むと、何故か二人は無言になった
『え...?』
『『(は?かっわ...)』』←
『えっと...』
ジェイド『ふふ...あまりにも貴女が愛らしいことをするので』
ですが、と反対の手で自分とそれを挟んでる私の手を掴む
ジェイド『咬まれっぱなしはあれなので私も。知っていますか?ウツボは咬んだら離さないんですよ...?』
フロイド『ジェイドだけズル~い』
意味深な二人の笑みに一瞬背筋が凍りついた。海の底からナニカに食いつかれて引きずり込まれそう
『ゃ...っ...』
ジェイド『柔らかくて美味しそうな手だ...』
引っ込めようとしたけど、何故か上手く抜けられない
怖い...怖い...
?『おい、何してる』
震える私の横にフッと影がさして、見上げるとそこには宝石の瞳のあの人がいた
『ラ、ライオン...さん』
レオナ『さっさとその手を離せ、目障りだ』
ジェイド『...これは失礼』
ライオンさんが睨みをきかせると、ジェイさんは余裕の顔で手を離した
レオナ『こんなところでなにしてる』
アズール『契約者達の波に巻き込まれてここにたどり着いてしまったそうですよ』
レオナ『アズール...』
アズール『お待たせしました...奥の部屋へどうぞ。まったく、いけませんよ二人とも。僕は丁重にと言ったはずです』
ジェイド『あまりの愛らしさについ』
フロイド『でも怯えてるクリオネちゃんもカワイかったよぉ♪』
レオナ『おい、レイラ。俺は今からアズールと話がある。それが終わったら迎えに行くから待ってろ』
『ん...待ってる。早く、帰って来て...』
分かった、と頭を撫でられると、ライオンさんはアズさんと一緒に奥の部屋へと行った