第78章 *最終決戦*
トランシーバーで管制室に呼びかけるも、返ってきた声は明るいものではなかった
ザザ..
?『..状況は芳しくない。タルタロスと冥府を制御しているケルベロス・システムは、本来は番人たるシュラウド家の遺伝子認証によってシャットダウン、及び再起動が行われる。しかし、今回の事態を引き起こしたのはシュラウド家の人間だ。緊急事態発生時のために設定されている制御コードを何度も打ち込んでいるが、オルトに全て書き換えられてしまっていて、外部からのコマンドを受け付けない』
手を尽くしているが..とまるで項垂れたような弱々しい声音に、ヴィルは真っ直ぐな瞳でトランシーバーを握り直す
ヴィル『しでかしたことの始末は、自分でつけてもらうしかないということね。
分かった。イデアとオルトのことはあたしたちに任せて頂戴』
?『..了解した。我々も引き続き、できることに全力を尽くす』
エペル『イデアサン、正気に戻ったら大人しく従ってくれる..かな』
ヴィル『従わなくても、従わせるわ。ナイトレイブンカレッジ流の方法でね』
エペル『ナイトレイブンカレッジ流の方法って..?』
キョトンと首を傾げると、"忘れたの?"とニヤリとした悪い笑みを浮かべる
ヴィル『ナイトレイブンカレッジでは、弱者は強者に従うのがルールよ。負け犬がガタガタ言う資格はない。あたし達が勝ったら、イデアの意思がどうあれ従ってもらうわ』
ルーク『弱肉強食..我が校の校風は実にシンプルで、美しい』
『..もし私が勝ったら、ヴィルさんも狩人さんも従わせられるってこと』
ユウ『え"っ!?急にどうしたの?』
ルーク『おや、兎の君は私達を従わせたいのかい?』
『ちょっと興味ある』
ヴィル『随分と生意気言うじゃない。だったら、学園に戻ったらまずはあたし達と勝負でもする?』
『んふふ..また今度にしとく』
ヴィル『ちなみにあたしが勝ったら、1週間あんたを寮生として迎えて、完璧なポムフィオーレ寮生として磨き上げてやるから覚悟しなさい』
ルーク『なら私が勝った暁には、ポムフィオーレ寮生になった君を、部屋に閉じ込めて愛でさせてもらおうかな』
ギラリとした狩人の瞳に、レイラは背中に寒気が走り静かにヴィルの背中に隠れた