第78章 *最終決戦*
〔Noside〕
穏やかな寝息とたまに聞こえる身じろぎ、布の擦れる音以外何もない静寂な格納庫に、突如として地を揺るがすほどの爆音が響き渡った
ドコオオオン!!!
『『『!!!???』』』
ヴィル『何の音!?』
突然の爆音に全員が飛び起き、慌てて辺りを見渡す
ルーク『分からない!すぐにここを出て確かめよう』
ユウ『んえっ!?な、何が..って、あああああああ!!!』
エペル『わいは!いきなりさがんで、ど、どんだんず!?』
謎の爆音とユウの叫び声に思わず後ろに転げ落ちそうになりながらも何とか体制を戻す。一方ユウはふるふるとルークとレイラの方を指差した
ユウ『何で、さも当たり前かのようにレイラを抱っこしてんですか羨ましいなこの野郎!!(今の爆音は何なんですか!?)』
ヴィル『ユウ、逆よ逆』
ルーク『その話は後で説明するよ。もっとも、説明する暇があればの話だけどね。レイラくん、立てるかい?』
『ん..』
膝の上のレイラを抱えながら立ち上がると、ゆっくり足を地につかせるように降ろした
ユウ『..ええい!分かりましたよ!行きますよぉぉ!!』
ヴィル『雷霆の槍の充電は..』
充電ステーションを確かめると、満充電ではなくまだ30%しか充電されていなかった
エペル『どうしよう。まだ半分も充電が終わってない..!』
ヴィル『仕方ないわ、心もとないけど、このまま持っていく。行きましょう!』
S.T.Y.Xタルタロス-非常階段
扉を開けて格納庫から出ると、そこは今までの光景とは全く違っていた。青い炎の照明は落ち、冥府の底から湧き出る負の瘴気が禍々しい緑のオーラとなり、ぼんやりと辺りを照らす
ヴィル『こ、これは..!!』
ユウ『下の方から嘆きの声が..!』
ヴィル『ぐっ..すごい瘴気だわ。まさか、冥府の門が開いたの?』
おぞましい嘆きの声と高濃度の瘴気に思わず顔をしかめる。あまりにも淀んだ空間に全員足がすくむ