第9章 *単独レギオン*
『モストロ・ラウンジ...?』
?『おかえりなさいアズール』
?『おかえり~。あれぇ~その子どうしたの~?』
聞きなれない言葉に首をかしげると、二人の男の子が歩いてきた
顔そっくり...双子?
海のような髪色に左右の色違いの瞳、そして横にいる人と同じ服装
この人と同じ寮の人なのかな?
?『ここの外で泣いていたのでお連れしたんです』
?『何か望みがあってこちらへ?それともこちらでお茶を?』
フルフルと横に振ると驚かれた
?『恐らく先程押し掛けてきた大量の契約者達の波に呑まれて入ってきてしまったようですね』
こっちを見る隣の人にコクンと頷くと、"やはりそうでしたか"とため息をつかれた
?『入学したてでここの存在もまだ知らない貴女が来るなんて思っていませんでしたから。間接的にこちらにも非はある...お詫びします』
『ううん...私が...ぼぉっとしてたから...』
?『...アズール、そろそろ』
?『えぇ、その契約者達のお相手をしてあげなければ。ジェイド、フロイド、このお客様に温かいお茶と何か甘いものを』
『『はい/は~い』』
?『くれぐれも丁重に、ですよ?』
そう言うと眼鏡の人はまた私の手の甲にキスをして、"失礼します"と去っていってしまった
?『ではこちらへ...フロイド、水槽近くの席は空いていますね?』
?『空いてるよ~』
『えっと...』
?『そのような悲しげな顔は貴女には似合いませんよ。こちらでどうぞ、気を休めていってください』
背に手を添えられエスコートされるまま、水槽のよく見える席へと座らされた
どうしよう...周り知らない人だらけ...この人達も背大きくて、あと目が怖い
?『お好きなものをどうぞ?』
広げられたメニューには色とりどりのケーキやスイーツが載っていて、どれも美味しそう
でもタルトの写真だけは見れなかった...見たくない
『えと...こ、これ...』
生チョコとイチゴが乗ったチョコケーキを指差すと、"かしこまりました"と笑顔を見せた
?『紅茶はお好きですか?』
『ん...ミルクティー』
?『フロイド、お願いします』
?『は~い』