第9章 *単独レギオン*
〔レイラ〕
ここ...どこだろう...?
鏡舎を抜けて走ってたら、いきなり大勢の人が目の前から走ってきて、その流れに巻き込まれてまた鏡舎に戻って来ちゃった
それだけなら良かったんだけど、そのままの流れで知らない鏡の先まで連れてこられて、気がつけば周りが海の中みたいな場所に着いてた
更にそこにあった建物に入ることになって、しばらく進んだ後にようやく流れから抜け出せた
『ホントに...海の中..』
丸い窓から見える景色は間違いなく海の中。魚も泳いでるし海草だって見える
『ユウ達...心配してるかな...』
してないかもしれない...
迷惑しかかけてない私がいなくなって寧ろ...
『っ...ぅっ...く...』
自分で思っておきながら傷ついてる...バカみたい
ダメ...泣いちゃダメ...また誰かに迷惑かけちゃう
ポロポロと止まらない涙を拭いながら薄暗がりの廊下に座り込んで体を縮こませる
いっそこのまま小さくなって消えてしまえば...
?『どうされました?』
『っ...!?』
?『そんな乱暴に拭っては愛らしい顔が台無しですよ?』
顔をあげると、涙で歪んで少し見辛いけど青色がかった灰の髪色に眼鏡をかけて、黒い帽子に髪色と同じコートを羽織った人が立ってた
その人は私の目の前で膝をついて目線を合わせてくる。そしてハンカチで優しく目元を拭ってくれた
知らない人...怖い...でも、今の私には逃げ出す気力もなかった
?『その首輪...あぁ可哀想に。悲しいことでもあったんですね。さぁ、こんなところではなんですから、向こうへ行きましょう。ご安心を...危ないところに連れていこうなどと思っていませんよ』
差し出された手に躊躇しながらも重ねると、優しく笑って手の甲にキスされ、そっと立ち上がらせてくれた
では参りましょう、とその人は私を手を離さないまま廊下の奥へと連れていった
着いたそこは、優しくぼんやりとした照明にテーブルや椅子、大きな水槽とオシャレなカフェのような空間が広がっていた
『キレイ...』
?『気に入っていただいて何よりです
ようこそ、モストロ・ラウンジへ』
モストロってどう見てもホスt何でもないです