第9章 *単独レギオン*
〔No side〕
ハーツラビュル寮・バラの迷路
トレイたちに追い出されたユウ達は、バラの迷路進んでいた
エース『あーくそっ、腹立つ!!あの赤毛のチビ暴君!自分がハートの女王にでもなったつもりかよ』
デュース『寮長に逆らって追い出されるなんて...どんどん優等生から遠ざかってる...』
ユウ『どうしよう...レイラ走ってっちゃった』
グリム『凄く泣きそうな顔してたんだゾ...』
エース『あの野郎...レイラにあんな酷いこと言いやがって!そんな遠くに行ってないはずだ。おい、走って追いかけるぞ!』
ユウ『そうだね。あの子を1人にさせちゃいけない』
グリム『うぅ~でも首輪が苦しくて重たいんだゾ』
?『その首輪の重ねづけ、イカしとるにゃぁ~』
走り出そうとしたユウ達の前に、突然フワフワと生首が現れニヤァと笑った
『『『うわっ!!!』』』
グリム『ふぎゃー!!!生首お化けー!!!』
?『おっと、身体出すの忘れとったわ』
生首はそう言うと一瞬で身体を現し、スタっと地面に降り立った
紫髪のサラサラな毛並みにピアスのついた大きな猫耳、そして闇夜でも爛々と輝きそうな黄金の瞳をした青年だった
デュース『な、なんだ。ちゃんと身体もあるんじゃないか。君は?』
?『俺は、アルチェーミ・アルチェーミエヴィチ・ビンカー。猫のような、人のような魔力を持った摩訶不思議なヤツ』
エース『アルチェ...なんだって?ってか話してる場合じゃねぇ!レイラを探しに行かねぇと!』
?『みんなチェーニャって呼ぶかねぇ。それと君らが探してるウサギのお姫様はもうここから出ちまってるにゃぁ』
ユウ『レイラを見たの!?』
チェーニャ『随分とまぁ泣きそうな顔で迷路の入口で泣いてた。でも追いかけるなんてしない方がいいにゃ。きっと今追いかけても余計に追いつめるだけ』
デュース『だがレイラは1人がダメなんだ』
ユウ『誰かが側にいてあげないと』
チェーニャ『(よう愛されてらぁ...)ま、どっかの誰かが手を差し伸べてくれるかもにゃぁよ?見守ってやるのも大切だと俺は思うにゃぁ』