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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第77章 *第1タワー Ⅱ*





ルーク『でも、美しき女王の精神をモットーとするポムフィオーレへ転寮した方が、より早く美の深層へ近づける。狩人のカンが、私にそう囁いたのさ』


エペル『え、ええ〜〜!?カンでそんな重要なことを決めちゃうなんて』


ルーク『ははは!勿論カンだけじゃないよ。ヴィルが美を研ぎ澄ましていく姿をもっと間近で見ていたくなってしまったのも、理由の1つかな。炎で熱された鋼が切れ味鋭い刃になるためには、相槌約が必要だろう?
私はヴィルの研ぎ澄まされていく美という刃に、相槌を打つ者として立候補したというわけさ』


エペル『はぇえ..まんずいばだだなぁ..』


ユウ『なんか、ルーク先輩節全開な理由ですね』


『難しいの分かんないけど、狩人さんはヴィルさんの傍に居たいから転寮したん、だよね?』


ユウ『まぁ、ざっくり言うとそうみたいだね』


ヴィル『あたしも"転寮したい"と聞いたとき、最初は止めたわよ。でもルークは"こうしたい"と決めたら誰の意見も聞かない。あんたたちも知ってるでしょ?』


ユウ『そりゃもうとても分かります』


ヴィル『気づいたときにはもう複雑な手続きや儀式を終えて、いつの間にかポムフィオーレの寮服を着ていたわ。
今とはビジュアルも全然違っていたし、寮内では浮きまくっていたけど』


『??狩人さん、前は違ったの?』


ヴィル『ええ、今の状態からは想像もつかないほどにね』


エペル『入寮したてのルークサンって、どんな感じだったんですか?』


ヴィル『まず、髪の毛は全く手入れされずに伸びっぱなし。毛量が多いのもあって、パッサパサのボッサボサ。更に日焼けしやすいタイプなのに、日焼け予防にもスキンケアにも無頓着だったせいで、星屑みたいなソバカスを散らかした頬と鼻の頭をいつも赤くしていたわ』


ユウ『え?』


『わ..』


ヴィル『そして洋服に重視するのは動きやすさだけ。裾が擦り切れたスウェットや膝が破れたパンツを縫いもせず平気で着てた』


語りながら当時のルークの姿を思い出したのか、段々とヴィルの顔がげっそりとしていく。一方、初めて知った事実に、エペルたちは余りにも今とはかけ離れていたことに信じられないと言わんばかりに、彼をまじまじと見つめた









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