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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第77章 *第1タワー Ⅱ*






『はわ..全然想像つかない。いつもそうだったの?』


ヴィル『まあ、ドレスコードがあるオペラや演奏会に行く時は、最低限の身だしなみは守っていたようだけど』


ルーク『懐かしいね!後輩の前で昔の話をされるのは、少し恥ずかしいな』


エペル『その笑顔、全然恥ずかしそうには見えない..かな。
でも美を追求して転寮までしたのに、なんというか..自分の外見には無頓着だったんですね?あと、すごいお坊ちゃまのはずなのに、擦り切れたスウェットって..』


ヴィル『当時のルークが追求する美の範疇に、己の外見は含まれていなかったんじゃない?

でもある時、演劇やライブは、ステージ上と客席が共に紡ぐ総合芸術であるって話で盛り上がったの。舞台は観客がいて初めて完成するものよ。つまり、観客自身もキャストの一員と言える。勿論、ドレスコードがない劇場にラフな格好で訪れることは悪いことじゃない。
でもあたしなら、美しい舞台に見合う美しい姿で観劇したいわ。
勿論演者や、他のゲストに迷惑をかけるような格好がNGなのは大前提だけど..自分も舞台装置になったつもりで演目に合わせた服をコーディネートしたり、メイクしたりするものも、あたしにとっては観劇の楽しみの一部。

観劇に向けて自分の気分を盛り上げる.."アガる"ってやつね』


少し楽しげに語りながら、今度は横目でちらりとルークの方を見つめた


ヴィル『その話をした後、ルークが"好きな役者が出る舞台の前方席のチケットが当たった"と喜んでたの。だからあたしは"折角なんだから、とびきりお洒落をして観劇すれば?"と提案した。たまたまスマートカジュアル以上が推奨される劇場だったしね』


ルーク『私はそれまで自分を着飾ることには全く興味がなかったのだけれど。ヴィルが色々とアドバイスをくれてね。ヴィルに全身コーディネートしてもらって、観劇に向かった日の高揚感!きっと一生忘れられないよ。
観劇はいつだって楽しい。でも、今までの観劇の楽しさを100とすると..その日は120にも200にも感じたんだ!
以来、自分自身のビューティーケアにも目覚めたというわけさ』


ヴィル『..でもまあ、今思うとルークが言っていた好きな役者はネージュなわけで..』


『(むっ..)』


ユウ『(あ、やな予感)』






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