第77章 *第1タワー Ⅱ*
カラン..
エペル『あ、IDカードを落としました..』
ヴィル『え、ええ..そうね』
ルーク『..研究員の彼には感謝しなくてはね。彼がいなかったら、もっと時間がかかっていただろう』
ヴィル『..彼と共に収容所から出ましょう』
衝撃的な一連の出来事に、三人はどこかぎこちない様子でIDカードを手に収容所の出口へと向かっていく
『...』
ユウ『レイラも行こう。ここに長くいたら危ないよ』
『ん』
ユウ『大丈夫。大丈夫だよ』
暗い面持ちで俯きながら頷くと、差し出されたユウの手を取って三人の後をついていくように歩き出した
S.T.Y.Xタルタロス-非常階段
?『助けてくれてありがとう。君らは命の恩人だよ..なあ、君たちも一緒に、タルタロスを出ないか?この先に収容されているのは、どれもAランク以上の危険なファントムばかりだ。君たちも無事では済まないかもしれない』
自分たちの身の安全を本気で心配してくれていると分かっているが、ルークは静かに首を横に振った
ルーク『ありがとう。でも我々は先に進むよ』
ユウ『ルームメイトを見つけて、世界のリセットを止めなきゃならないんで』
ヴィル『一番にイデアたちにビンタを食らわせるためにも、他のタワーを攻略しているメンバーに遅れを取るわけにはいかないわ。先を急ぎましょう』
?『そうか..わかったよ。どうか気をつけて』
ルーク『あなたも。上層部の収容所ではかなりのファントムの凍結が解除されている』
?『これでもファントムの研究をし続けて20年のベテラン研究員なんだ。彼らの習性は熟知している。なんとか切り抜けてみせるさ』
ヴィル『ええ。お互いベストを尽くしましょう』
研究員と分かれたあと、一行は再び最下層へと歩き出した。だが、先程までの会話はなく少し重い空気感が続いていた
エペル『(さっきの話、切り出したいけど空気が重い..)』
ルーク『(先程の戦闘でみんなすっかり口を閉ざしてしまった。彼女のためにも何か言葉を掛けないといけないが..)』
ユウ『(先輩たち早く何か言ってよ。このままだとレイラが泣いちゃうでしょ)』
ヴィル『レイラ』