第9章 *単独レギオン*
ジャアネ、と最後に言うと、その声は聞こえなくなった
『なんだったんだろ...今の。いっ...た....っ!!!』
さっきより強い痛みが頭に走って、思わず頭を抱える
痛いっ...!割れそうっ...!
あんまりにも痛いから目から涙が出てきてた
しばらく痛みに耐えてると、目の前が砂嵐のようなもので埋め尽くされて、そしてプツッと真っ暗になった
まるでテレビで再生されるように、うっすらと奥に景色が見えてきた
?『ーーーーっ!!!ーーーじゃなかった!!!』
?『ーーーしろっ!!』
誰かが喧嘩してる...声は所々途切れてるけど
姿もボヤけてて誰だか分からない。シルエットで二人いるのだけしか...
?『ーーーさん』
誰か来た...さっきのシルエットよりもかなりちっちゃい。声も凄く幼いから、もしかして子供?
?『ーーーないで』
子供のシルエットがゆっくりと二人に手を伸ばす。だけど次の瞬間、パンっ!という音が響いてその子は倒れた
?『ーーかないで!ーーーわれた×××が!!』
?『ーーなんてーーーければ!!!』
倒れたその子に二人は凄く怒ってる。どうして...?その子はなにもしてないのに...
私は、なにもしてないのに...
ピシッ...!!
『っはぁ....!!』
グンッと意識が戻された感じがして顔をあげると、バラの迷路の出口、さっきまでいた場所だった
『はぁっ...はぁっ...今の、なに...?』
呼吸が早くなって、変な冷や汗も出てる
訳が分からなかったけど、とにかく落ち着こう。そう思いながら呼吸を整えてると、背を向けてるバラの迷路の奥から声がした
多分ユウ達だ...
"そこにいるやつらもみなお前のお守りでうんざりしているよ!"
彼の言葉が深く胸を抉るように刺さってくる
今ユウ達には会えない
会いたくない
またみんなに迷惑をかけるだけ...
そう思ったら行動するのは早くて、すぐに立ち上がって来るときに渡ってきた鏡舎へ走った
鏡を渡って鏡舎を抜けると、更に走ってどこへ行くわけでもなくただひたすらあの場所から離れたくて走り続けた