第77章 *第1タワー Ⅱ*
普段の二人からは考えられない、まるでやんちゃな他の生徒がするようなことに笑い声をもらしたエペルだったが、ある一つの疑問が彼の頭によぎった
エペル『でも、なんで雪の日にわざわざ外で話をしてたんですか?同じ寮なんだし、寮に戻ればよかったのに』
ルーク『ああ!その頃私はまだ、サバナクロー寮生だったからね』
ユウ『え?』
『ん?』
エペル『へぇ、ルークサンってサバナクロー..えっ!?』
ユウ『まだサバナクロー寮生だったって、どういうことですか!?』
『全然、イメージない。なんで、ポムフィオーレ行ったの?』
突然のとんでもカミングアウトに3人は同様を隠しきれず、思わず2人に詰め寄る
ルーク『それはね..おっと!みんな、見てごらん。次の収容所の扉が見えてきたよ』
顔を上げたルークの視線の先には、見慣れた大きく重厚な扉が佇んでいた
ヴィル『本当だわ。くだらないおしゃべりは一旦ここまでにしましょう』
エペル『ええーっ!?ちょっ、待って!待ってください!ルークサンの話の続きが気になりすぎる!』
ルーク『はっはっは!そんなの、いくらでも話してあげるさ。次の収容所を全員無事に抜けることができたらね』
エペル『..!そうか。階層が深くなれば、その分、ファントムも強くなる..』
ヴィル『ええ。前のようにはいかないでしょうね。それに、オルトたちが何を仕掛けてくるかもわからない。気を引き締めていくわよ』
その言葉に全員大きく頷くと、ヴィルを先頭に収容所の扉に手をかけた
S.T.Y.Xタルタロス-収容所
ルーク『さて..オルトくんはどう出てくるか』
神出鬼没かつ何をしてくるか分からないオルトに周囲の警戒をしていると、遠くの方で何かが動く気配と声が聞こえてきた
?『はっ..ひ、人の声だ!特警班が助けに来てくれたのか!?』
ヴィル『誰っ!?』
?『ひっ!攻撃しないでくれ!私はただの研究員..非戦闘員だ!本部はどうなった?ケルベロス・システムは復帰したのか?』
ルーク『ああ、なんてことだ!縛られて目隠しをされている。今自由にしてあげよう』
声の主が拘束された研究員だと分かると、急いで駆け寄りロープと目隠しの布を取り払った