第76章 *第1タワー*
ルーク『この収容所のファントムたちは、まだ凍結状態にあるのかもしれない』
エペル『今のうちに、手持ちのIDカードでドアが開けられるか試してみます!行こう、レイラチャン』
『ん』
レイラの手を取り出口の認証機器に持っていたカードをかざすが、ドアは反応することはなかった
エペル『..やっぱりだめか。ここを抜けるには新しいカードが必要みたい』
ザザッ..
オルト『おっとっと..冒険者の皆さん。第3の試練の場へようこそ!』
聞き慣れた無邪気な声とともに、再びホログラムのオルトが5人の目の前に現れた
ヴィル『出たわね、オルト』
オルト『待たせちゃったかな?ごめんごめん、色々忙しくて..次は入り口に案内用NPCを置いておくようにするよ』
エペル『くぅっ!出てくるたびに僕たちをおちょくって!正々堂々出てきて勝負しろ!』
オルト『そうしたいのは山々だけど。君たちを訪ねるにはもう少し時間がかかるんだ』
ヴィル『あら、随分と余裕がないようね。悪巧みで手一杯なら、あたしたちがお手伝いしましょうか?』
オルト『ふふふ。さて、この収容所を突破するためのミッションについて説明するよ。
それは..
"困っている人を助けよう"!』
ルーク『困っている人?..この収容所の中にはファントムしかいないはずじゃ?』
オルト『それはどうかな?』
『!!ねぇ、なにか聞こえる..あっ!"助けて"って聞こえた!あのケージのどれかから聞こえる!』
ファントムが入ったケージの山から微かに発せられた助けを求める声を、レイラのピンと立ち上がった耳は確実に聞き取った
ルーク『本当かい!?』
?『..けて..助けてぇ..』
ユウ『ホントだ!微かだけど誰かが助けを求めてる』
オルト『さすが聴覚が鋭い獣人のレイラ・フィリアスさん!このケージの中のどれか1つに、IDカードを持った研究員が閉じ込められてる。ケージの中はヒトにとって適切な温度とは言えないから、早くしないと寒さで凍えちゃうかも..ふふふ!』
ヴィル『なんですって!?』
オルト『やっぱりヒーローは人助けができなきゃね。では諸君!健闘を祈る!』