第76章 *第1タワー*
ヴィル『多分ね。ふっ..それにしても、オルトの悪役らしい演技は中々ね。世界のリセットなんかやめて、役者になったほうがいいと思わない?
ヴィランをヴィランらしく演じられる子役は貴重よ』
ルーク『学園に戻ったら、彼を映画研究会に誘ってみたらどうだい、ヴィル?』
ヴィル『それも悪くないかもしれない。さあ..先を急ぎましょう!』
少しの談笑を終えると、一行は再びタルタロスの非常階段を降りていった
ヴィル『キレイね..』
歩みを進める中、徐ろに真横を歩くレイラの黒髪を一房取りながらポツリと呟いた
『??ほんと?』
ヴィル『ええ。よく手入れされてて、手触りも良いし何より艶があるわ』
ルーク『私も思っていたよ。君の髪は漆黒の夜空のようで、艶めく輝きは瞬く星のようさ』
『ユウがいつも梳いてくれるの。でもクセついててすぐフワッとしちゃう』
ヴィル『あら、別にいいじゃない。ナチュラルなボリューム感でよく似合ってる。ああ、そうだわ。学園に戻ったらあんたにしたいことがもう1つあったの』
『ん?』
首を傾げて上目で見上げると、ヴィルの瞳にチリッと僅かに熱が走る
ヴィル『(わざとやってんのかしら..)前からあんたの全身を隅々までコーディネートしたいと思ってたの。服も化粧品もあたしが全部選んで、あんたをとびきり可愛くしてあげる』
『いいの?私、もっと可愛くなりたい。コーディネート、して?』
瞳をキラキラさせながら前のめりに食いつく姿に、ヴィルとルークは嬉しそうに目を細めた
ヴィル『決まりね。物が揃ったら連絡するわ。ルーク、選ぶのに付き合って』
ルーク『勿論さ、毒の君。君の手でレイラくんがどれほど輝きを増すのかが、今からとても楽しみだよ!』
エペル『ぜってぇ着せ替え人形になって丸一日隔離される。俺だったら耐えらんねぇ』
ユウ『まあ、あの子が嬉しそうならいいかな。にしてもさっきからあの二人、レイラと距離近すぎん?さっきキスしたときもあの子の時だけ口に近くなかったか?え、なんなの?狙ってんの?しかも二人ともだよね???え、敵増えた?』
エペル『どんどんおっかねぇ顔になっでる』