第76章 *第1タワー*
S.T.X.Yタルタロス-ファントム収容所
扉を開けて中に入ると、赤褐色の明かりに灯された空間が広がっていた。壁一面に不思議な文様が描かれた巨大な正方形の箱が無数に陳列され、それが何列も積み重なり天井まで届いていた
落ちたのかいくつか転がっているものや、ズレているものがあり、足を踏み入れるとピチャっと音がしてよく見ると水路のようなものが部屋の真ん中に線を引くように流れていた
ヴィル『これが..ファントムの収容所』
エペル『も、もしかしてこの四角い箱全部にファントムが入ってるの..?』
ユウ『どっかのホラー映画じゃないんだから』
『ユウ、震えてる。怖い?』
ユウ『えっ!?い、いやいや、そんなことは..』
オルト『そうだよ!すごいでしょう。世界中から集められたファントムがぎっしりのモンスターハウスさ』
ユウ『ぎゃあああ!!!』
『わっ、ユウにびっくりした』
突然の背後からの声に大きく体を跳ねさせたユウは、隣りにいたレイラに勢いよく抱きついた
それと同時にガシャンと音がして、自分たちが入ってきた扉が勝手に閉じてしまった
『『『!!!』』』
エペル『収容所の入り口が閉められた!ググっ..開かない!』
必死にこじ開けようとするが、まるで閉じたまま固まったかのように、扉はびくともしなかった
ヴィル『くっ、閉じ込められた..オルトの仕業ね!』
すると、その声に反応するように、エレベーターで見たものと同じホログラムのオルトが現れた
オルト『せいかーい♪どう?みんなダンジョン攻略を楽しんでる?ここで第2の試練です。次の階層に降りるためには、この収容所を通り抜けなければなりません。しかも、収容所のドアを開けるためには専用のIDカードがパスワードが必要です』
『??カードなら、さっきもらったよ』
オルト『うん、そう来ると思った。でもね、そのIDカードはとっくに特定して登録を抹消してあるんだ』
『え"』
オルト『最初から裏技を使ってらくらくクリアしたら、面白さが半減するでしょう?』
ユウ『うわ、余計なことしおった』
ヴィル『それはそれは、余計なお気遣いどうもありがとう』