第76章 *第1タワー*
下から現れたのは、凍結解除されて目覚めた2体のファントムだった。しかし、個体的には力はそこまで強くなく、体も小さかったため、そこまで苦労せずに倒すことができた
?『ギィイイイイ!!』
ジュワアアと音を立ててファントムたちは溢れたインクのように溶けて消えていった
エペル『た、倒したファントムの体が、黒いインクみたいなものに変わった!?』
ヴィル『その黒い液体は、負のエネルギーが凝縮されたブロットそのもの。触れないように気をつけなさい。汚染されるわ』
ルーク『レ・ミゼラブル!ブロットが滴った部分の床が、白く枯れてひび割れていく!』
エペル『イ、イデアサンたちは、こんなやつらを地上に解き放とうとしてんのか?』
ヴィル『そんなことになれば、間違いなく世界中が混乱の渦に飲み込まれることになる。絶対に止めてみせるわ..たとえあの兄弟の夢と希望を砕くことになっても』
ルーク『..そうだね』
『[ああ..勿体ないね。全部吸い尽くしてしまいたい]』
ユウ『レイラ?』
『!!..ん?』
ユウ『少しぼおっとしてたよ。大丈夫?』
『ん。大丈夫』
ルーク『小さい個体だったけど、凍結されていたファントム達が目覚めつつあるのは確かのようだ。急いで最下層へ向かわなくては..ん?どうやらこの階段の先は、行き止まりになっているようだね』
エペル『本当だ。突き当りに、でっけえ扉がある』
ヴィル『マップによれば、このドアの先はファントムの収容所よ』
ユウ『てことは、この先にファントムが..』
『うじゃうじゃ、いっぱい..』
エペル『だ、大丈夫!どんな敵が来ても、僕がユニーク魔法で捕まえてみせます!』
ヴィル『あら、頼もしいこと。それじゃあ行きましょう』
この先に待ち構えているであろう脅威に冷や汗をかきながらも、強気に振る舞おうとするエペルの姿に、ヴィルたちは笑みを浮かべながら目の前の扉を開けた
『林檎くん』
エペル『なに?』
『さっきの林檎くん、カッコ良かった』
エペル『なっ..//』
『頼りにしてる。だから、守って、ね』
エペル『うん、必ず守る。レイラチャンも、ユウクンも先輩たちも』