第75章 *拡大デンジャー*
非常事態により警戒色の赤に染まった廊下を暫く歩き、少し開けたところで一度足を止め、これからの行動についてヴィルが先陣を切って口を開いた
ヴィル『さて..S.T.Y.Xスタッフの話によると、タルタロスを形成するタワーは3つ。時間もないし、全滅のリスク避けるためにも、3チームに分かれて攻略するべきと考えるわ』
エペル『それに、全部のルートを回ってみないと、グリムクンも見つけられないかもしれないし』
ヴィル『そうね。じゃ、チーム分けについてたけど..3年生で寮長であるあたしとレオナは、先導役として別のルートに向かうのが妥当ね。あたしが第1タワー、レオナが第2タワー。残る第3タワーは..』
リドル『第3タワーの先導は、ボクが努めます。寮長歴で言えば、レオナ先輩の次にボクが長いので』
ヴィル『いいでしょう。アズール、異論はないわね?』
アズール『勿論です。座学も実技も、リドルさんの方が僕よりずっと成績優秀ですしね』
少し引っかかるような感覚にリドルは顔をしかめたが、特に口を挟むことなくじっとアズールを見つめた
ルーク『私とエペルくん、ユウくんとレイラくんは、ヴィルについていこう。戦いはコンビネーションだ。共に過ごした時間が長い分、フォローもしやすい』
レオナ『おい待て。俺の勘違いか?そっちの人数のほうが圧倒的に多すぎだろうが』
リドル『確かに、これでは戦力に差が出てしまうような..』
不服そうに尻尾を揺らすレオナと、あくまで冷静に分析するリドル。両者とも内心ではレイラを自分たちのチームに引き入れたいだけなのだ
ヴィル『ユウは魔法が使えないんだから、守れる人数の多いあたしたちのチームが最適よ。それに、レイラのことだって守る必要があるでしょ』
ジャミル『ですが、それなら尚の事分けるべきでは?守る対象が多すぎるとそれだけ負担も多くなる』
『私...足手まとい?』