第9章 *単独レギオン*
リドル『ボクが寮長になって1年。ハーツラビュル寮からは1人の留年者・退学者も出していない。これは全寮内でハーツラビュルだけだ。この寮の中でボクが一番成績が優秀で、一番強い。
だから、ボクが一番正しい!口答えせず、ボクに従っていれば間違いないんだ!』
デュース『そんな...』
リドル『ボクだって、やりたくて首をはねてるわけじゃない。お前たちがルールを破るからいけないんじゃないか。ボクに従えないのなら、まとめて首をはねてやる!』
ケイト『みんな、ほら"はい、寮長"って言って』
今にもユニーク魔法を発動しそうなリドルに、ケイトが何とか場を宥めようとエース達に詰め寄るが、彼らが従うわけがなかった
デュース『...言えません』
ユウ『...自分も』
『ユウは元々ハーツ寮生じゃないから"はい、寮長"なんて言わなくて良いと思うけど』
ユウ『いや、そうじゃないでしょ』
エース『こんなワガママな暴君、こっちから願い下げだ!』
『さっきから黙って聞いてたけど...』
いつの間にかユウの後ろにいたはずのレイラは、眉間にシワを寄せながらツカツカとリドルの前まで行くと、僅かに背の高いリドルを下から睨み付ける
『法律法律そればっかり...。ルールは必要、だけどさっきから貴方が言ってる法律は別に無くたってどうでもいい事だらけ...つまんない』
ケイト『ちょ、レイラちゃん...』
『エース達が頑張って作ったタルトをムダにして....貴方の法律は人を守るためじゃない。人を縛るただの枷だよ...迷惑だよ。それに一番成績が良くて強かったら正しいって...なに?そんなので人の正しさなんて決まるわけない。
エースの言うとおり、貴方は暴君。しかも底意地の悪い暴君。誰も今の貴方に本気で着いて行こうなんて思う人はいないよ...貴方は、1人だ』
いつものレイラからは想像もつかない程、饒舌に淡々と言葉をぶつける姿に、ユウは息を飲んだ
リドル『今、なんて言った?』
グリム『オマエはおこりんぼでワガママで食べ物を粗末にする暴君って言ったんだゾ!』