第9章 *単独レギオン*
ケイト『あちゃー、こりゃヤバい...トレイくん知ってた?』
トレイ『俺が暗記出来てたのは第350条までだ。完全に油断してた。タルトの種類にまでルールがあったなんて...』
ボソボソと小声で会話する二人の様子に、傍らで聞いていたレイラは、この事態が二人にとっても予想外であることが分かった
リドル『ハートの女王の厳格さを重んじるハーツラビュル寮長であるボクが、この違反に目を瞑ることはできない。
マロンタルトはすぐに破棄しろ!それから、こいつらを寮外へつまみ出せ!』
エース『ちょっと待てよ!そんな無茶苦茶なルールあるか!』
グリム『そうだゾ!捨てるんだったらオレ様が食う!』
トレイ『寮長、申し訳ありません。マロンタルトを作ろうと言ったのは俺です』
ケイト『そうそう、まさかそんな決まりがあるなんて全然思ってなくて』
慌ててトレイたちがエースのフォローに入るが、リドルの怒りは消えなかった
リドル『作ったことが重要なんじゃない。今日!今、ここに!持ち込んだこと"だけ"が問題なんだ!』
ユウ『そんなおかしなルールに従ってるなんて馬鹿みたい』
リドル『馬鹿...だって』
ケイト『ちょ、ストップ!それは言っちゃダメなやつ。あとリドルくんも、こいつらまだ入学し立てほやほやの新入生だからね』
エース『いーや言うね。そんなルールに従ってタルトを捨てるなんて馬鹿だって思うだろ。ふざけんなよ』
デュース『俺もエースに賛成です。もちろん、ルールは守らなければいけないものだとは思いますが...さすがに突飛すぎる』
リドル『ボクに口答えとは良い度胸がおありだね。いいかい、小さなルール違反が、大きな問題に繋がるんだ』
エース『他の奴らも、魔法封じられるのが怖くて言い出せないけどこんなのおかしいって思ってるんだろ!?』
?『いや...僕たちは』
リドル『へえ、そうなのかい?』
?『と、とんでもありません、寮長!』
?『全ては寮長のご決断次第です!』
エース『ちっ...日和やがって、ダッセー』