第75章 *拡大デンジャー*
職員『はっ!タルタロス内部の通過センサーに、被検体Fのウェアラブルデバイス通過ログがあります!どうやって..そうか!ケルベロスのセキュリティがオフになり、以降タルタロスへの出入りが自由になっているから..ログによれば、緊急事態発生直後にタルタロスの門をくぐったようです』
『ねえ、タルタロスって危ないところなんでしょ?』
ユウ『そんなとこにグリムがいるって、かなり危ないんじゃ..』
職員『ああ。ファントムが1万体以上収容されている収容所だからね。しかも、今は凍結システムがオフにされている。いつファントム達が動き出してもおかしくない』
タルタロスのそこまで危険な場所になっていることに、そしてそんな場所にグリムが行ってしまっていることに、ユウとレイラの背に悪寒が走った
ユウ『グリム..』
『助けに行かないと』
ヴィル『グリムの場所が分かって良かったじゃない。しかもタルタロスにいるなら都合がいいわ。冥府まで降りる途中で、ついでに拾っていくわよ』
『『!!』』
ヴィルの言葉に職員たちに戦慄が走る。ファントムの危険さを何よりも知っている職員達からすれば、冥府を降りてタルタロスに行くのは最早自殺行為と同義だからだ
職員『む、無茶だ!そんなの危険すぎる!』
ヴィル『だって、イデアもオルトもそこにいるんでしょ?あいつらの世界リセット計画を止めたいのなら、危険だろうがなんだろうがそこまで行くしかない』
アズール『..はぁ。確かに、それしか道はないでしょうが』
ジャミル『随分と気軽に言ってくれる』
職員『待ちなさい。君たちはまだ魔法士免許も持ってない学生だろう!?今、この危機的状況で必要なのはアマチュアの魔法士じゃない。プロの魔法機動隊だ』
外部からの救援を待とう、と食い下がる職員にレオナは少し考えたあと、別の職員にとある事を聞きはじめる
レオナ『タルタロスに収容されたファントムの凍結が全て溶けきるまで、あとどれくらいだ?』
職員『ろ、6時間です』
レオナ『その間に外部との通信が復旧し、救援が来る見通しは?』