第75章 *拡大デンジャー*
『私も、アズさんに会いたかった。心配したんだよ?ジェイさんもフロさんもきっといっぱい心配してる』
アズール『どうでしょうかね。あの二人のことなので、いつも通りにしてそうですが』
『そんなことないもん』
頬を膨らませて見上げるとクスッと笑われ、すみませんと悪びれない謝罪のあと優しく頬を撫でられた
リドル『何か言うことは?』
『?..会いたかったよ』
リドル『そうではなくて。もっとボクらに言う事があるだろう?』
『..ごめんなさい?』
リドル『君もよく無茶をするね。こんなところまで来て、よりにもよって緊急事態な時に』
『大事な人を助けに行っちゃだめっていう法律はないでしょ?』
リドル『そうだけれど..』
普段自分が言っている法律やルールを出され、返答に言い淀むリドルはレイラのフワフワな黒髪を指先に絡める
『無事で良かった。リドルさんにすごく会いたかった』
リドル『君が会いたかったのはボクだけではなく他の先輩たちもだろう?』
『そうだよ?でもその中でリドルさんがいなかったらこんなに喜ばないよ。誰か一人がいなくても駄目なの。みんな無事で揃ったからこんなに嬉しいの』
リドル『..変なことを言ったね、謝るよ。迎えに来てくれてありがとう』
『ん』
ルーク『..というわけで、賢者の島から私のユニーク魔法を使い、みんなの後を追ってきたのさ。島内に入ってからは、ヴィルが"スペシャル美容液"を持ち歩いてくれたことで迷わずここへ辿り着けた。怪しまれるかと思ってメモを入れることもしなかったが、さすがの察しの良さだね、ヴィル』
ヴィル『普段のスキンケアには魔法効果を付与したものは使用してないから、すぐに気づいたわ。"お守りコスメ"が早速役に立ったわね』
『ね、みんな。グリム、見てない?』
リドル『グリム?彼も嘆きの島へ連れてこられたのかい?』
エペル『はい。ヴィルサンたちが連れ去られたあとに捕まってしまって..みなさんと一緒にいるものだとばかり思っていたんですが』
アズール『この島に来てから、検査の時も、それ以外でも、一度もグリムさんはお見かけしていませんね』
レオナ『..待てよ』