第75章 *拡大デンジャー*
ヴィルの腕から抜け出すと、待ってましたと言わんばかりに片腕を広げるレオナの方へ飛び込む
『レオさん..ごめん。無事で良かった。会いたかったよ』
レオナ『遅せぇんだよ。どこも怪我してねぇだろうな?』
『大丈夫。狩人さんと林檎くんとユウが守ってくれたから』
レオナ『そうかよ。ったく、なんでこんなとこまで来てんだ』
腕の中の温もりを確かめるように強く抱きしめる。耳元で囁かれる声は心配と安堵が混ざり合っていた
『レオさんたちが大事な人たちだから。レオさんだって、私が連れ去られたら追いかけてくれるでしょ?』
レオナ『どうだかな』
『むぅ』
レオナ『...必ず連れ戻しに行く』
『!!ありがと、嬉しい』
『ジャミさん..怒ってる?』
ジャミル『どう見える?』
『お顔見えないから分かんないけど、怒ってると思う』
肩口に顔を埋められて表情は見えないものの、抱きしめる腕の力と声色が彼の気持ちを表しているようだった
ジャミル『どうせユウやレオナ先輩から同じようなこと言われただろうが、お前はもっと自分の身を大事にしろ。なんで毎回..はぁ、もういい。今はこうやってお前を感じられれば』
『ごめんね。でも、安心したでしょ?私はここに来て良かった。ジャミさんの無事が分かって、みんなの無事が分かって』
ジャミル『ここからは俺もお前を守る。だから絶対に無茶はするな』
『考えとくね』
ジャミル『お前な..おい、どこへ行く』
『アズさんのとこ』
ジャミル『(よりにもよってあいつのとこに行くのか)』
『アズさん』
アズール『レイラさん。まさかここまで来ていたなんて、驚きましたよ』
『ギュッてして?』
アズール『ええ勿論です』
腕の中に収まると、突然耳に柔らかい感触と甘い痺れが体を走った
『ひゃぅっ..//耳、だめ..』
アズール『お仕置きですよ。僕らを追いかけてこんな場所まで来てしまったこと』
直接囁かれる甘い声に体をプルプルと震わせる。小さく謝罪を口に出すと、耳への刺激が止まり頬に優しくキスを落とされた
アズール『ですが、ありがとうございます。正直、とても嬉しかったですよ。僕も貴女にとても会いたかったので』